決勝ゴールを決めた中村悠士郎

 だが、1分のアディショナルタイムが終わりかけたその時だった。城北は森川が左から力強いドリブルで持ち上がると、ゴール前に走り込んでいた中村に好クロスを送った。やや低い体勢から放たれたヘディングシュートがゴール右隅に吸い込まれ、土壇場での決勝点となった。        

 中村は顔をくちゃくちゃにしながらガッツポーズをつくり、チームメートが待機するベンチ方面に向かって疾走。出番が訪れた時の監督からの指示を尋ねたら、「気持ちを入れてピッチに入りお前がゲームを変えるんだよ、と言われたんです」とはきはき答えた。        

 後半開始から起用され、得点するまでに何度もパスを預かったが、シュートにまで持ち込んだのは延長後半2分の1度だけ。長島知之監督は「エンジンのかかりは遅かったですが、あの場面でよく取ってくれました」と褒めた。        

 延長に入る前、アシストした森川から「俺がボールを持ったら、とにかくゴール前に走ってくれ」と言われたそうで、「あのゴールはふたりで居残り練習していた形なんです。ホントにうれしくて、入った瞬間は現実なのかと思いました。次も自分のゴールでチームを勝たせたい」と背番号9は終始ご機嫌だった。        

【次のページ】 Aブロック1回戦 日大豊山 vs 城北(5)

▽第105回全国高校サッカー選手権東京予選
第105回全国高校サッカー選手権東京予選