京都廣学館も先制点を奪い健闘(写真=雨堤俊祐)

 対する京都廣学館は「前半から走らされて、少しずつ疲れていった」(西川)と劣勢の展開が続く。それでもゴール前ではDF陣を中心になんとか耐えて、追加点を許さない。そして回数は少なかったが、推進力のあるカウンターを繰り出して一発を狙う気概は見せ続けていた。

 次の1点が勝負を決める。そんな雰囲気の中で両チームの攻防が繰り広げられ、後半もアディショナルタイムに差し掛かろうとする終盤に、試合が一気に加速する。80分、京都廣学館は自陣でボールを奪うと敵陣へロングフィードを送り込んで前線を走らせる。反応して走り出したFWが裏へ抜け出すと、大谷GK坂下遼平(2年)もエリア外へ飛び出して対応したが、相手のシュートに思わず手が出てしまい、決定機阻止でレッドカードが提示された。

 10人となった大谷は先制点をアシストした樋口を下げ、ウォーミングアップもままならない状況で1年生GK山下莉生を投入。大谷攻勢から状況は反転して、京都廣学館が攻撃を仕掛ける状況になったが、なんとか耐えて後半アディショナルタイムが経過していく。

 PK戦も視野に入ってきた80+6分、大谷は右サイドから攻撃を仕掛けてCKを獲得すると、交代出場のMF上野鉄心(1年)が蹴ったボールをDF浅田仁(3年)がヘッドで押し込んで逆転ゴールを決める。試合はその直後に終了。退場者を出した後の決勝点という劇的な展開で、大谷が3回戦進出を果たした。

 決勝点を決めた浅田は「高校サッカーで初めて決まったゴール。数的不利だったので、中途半端にプレーするより思いっきり打とうと思った」と振り返った。「相手は1回戦で18点も取っていて、僕達は初戦ということもあり、前半はビビッてしまった。後半は自分たちのサッカーができたのかなと思います」と逆転の要因を語っている。

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▽第102回全国高校サッカー選手権京都予選
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