決勝弾を奪い喜ぶ日大藤沢の選手たち(写真=佐藤亮太)

 日大藤沢のサッカーは奪って、仕掛けて、ゴールに迫る、実に攻撃的なチーム。しかし、その攻撃性は滅私奉公のハードワーク、積極的な守備が担保になっており、良い守備からの良い攻撃が徹底されていた。その真骨頂が前述の2点目。3人で相手守備陣を崩し、10秒余りで決めたカウンターアタックにつまっている。

 「僕は本当に選手に恵まれている。それだけは言える」と話す佐藤監督からふたりの選手の名前が出た。

 ひとりめはボランチのMF6野澤勇飛。

 「いぶし銀」「MVPに近いプレーを見せてくれた」と評したように、ボール奪取、予測、視野の広さ、展開力、落ち着きぶりとボランチとしての欠かせない要素を兼ね備えている。そのMF野澤、ことし1月、ケガ人が出たことで急遽、FW・トップ下からコンバートしたばかり。もともと守備は得意だったそうだが、それでもMF野澤は「ボランチなりの楽しさを見つけた」と順応している。

【次のページ】 2次予選準決勝 日大藤沢 vs 橘(3)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選