早稲田実業の森泉監督(写真=矢島公彦)

「選手たちは一生懸命に頑張ったけど、望んだ結果は得られなかった。ゲーム内容は完敗。相手が強かったです」

 早稲田実業に0-2で敗れた試合後、國學院久我山の李済華監督は悔しそうに口を開いた。ボール保持率とシュート本数で相手より上回りながらも、確かに「完敗」と認めたのも頷けるゲーム内容だった。

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 では早稲田実業は何が凄かったのか。第102回全国高校サッカー選手権東京予選Aブロック覇者が誇る最大の武器は堅守だ。

 11月11日に行われた國學院久我山との決勝戦、早稲田実業は5-3-2のフォーメーションを採用し、キックオフ時の立ち位置から自陣深いエリアに守備ブロックをセット。相手は前年度の東京Aブロック優勝校、全国大会でも3回戦まで勝ち進んだチームなので、格上との一戦ではよく見る対策ではあるが、単にリトリートするだけの堅守ではないのは開始早々の攻撃シーンで分かった。

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▽第102回全国高校サッカー選手権東京予選
第102回全国高校サッカー選手権東京予選