(写真=森田将義)

 徳島市立の粘り強さは本物だ。夏のインターハイは、1回戦から3試合連続で0-0からのPK勝ちを続けてベスト8進出。今大会も、初戦となった2回戦で尚志を無失点に抑えて、PK勝ちを果たした。

筑陽学園を迎えたこの日は、「インターハイからずっと0-0で勝ち上がってきたので、チームの皆で1点を取ろうと話していた」(GK1中川 真、3年)。だが、先にチャンスを作ったのは「DFの枚数が多くなるのは予想出来たので、サイドから攻めようと話していた」と青柳良久監督が振り返る筑陽学園。ボールを奪ったら相手の守備が整う前にサイドへと配球し、チャンスを伺うと前半13分には右サイドを抜け出したFW12岩崎 巧 (3年)がカットインから中にパス。MF7古賀 敬仁(3年)が放ったシュートのこぼれをFW13大嶋 遥人(2年)が押し込んだが、オフサイドとなった。

ヒヤリとする場面はあったが、それ以外はこれまでの試合と同様に徳島市立らしい粘り強い守備を継続。サイドに速い選手が揃う筑陽学園の特徴を消すため、ボールを失ったら素早く攻守を切り替え、縦へのパスを制限。サイドを破られても、DF5田内 悠貴(3年)を中心とした3バックと中川が空中戦の強さを発揮し、仕事をさせず。敵将である青柳監督は「前に出るのがうちの良さなんですけど、そこを相手が消してきたので出られなかった」と振り返った。

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▽第98回全国高校サッカー選手権
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