守備からリズムを作った徳島市立は、22分に左CKを獲得。MF15野口 蓮太(3年)のキックから放った田内のシュートは筑陽学園のDFに阻まれたが、素早く押し込んだDF12三倉 頼真(2年)のシュートがポストに当たりながらもゴールネットを突き刺さった。「得点するにはセットプレーしかないと思っていた」という河野博幸監督の読み通りのゴールで、弾みがついたチームは終盤のピンチを冷静に凌ぎ、1点リードで試合を折り返した。

 後半14分にもセットプレーからチャンスを演出。MF6中田 舜貴(2年)がゴール前に入れた右CKは筑陽学園のDFにクリアされたが、左サイドでFW11木村 広也(3年)が拾って、再びゴール前へ。田内が右足で合わせたが、右ポストに阻まれ、追加点とはならなかった。試合はここから動かず、1-0で徳島市立が勝利。OBである河野監督が現役時代に果たしたチーム最高成績を塗り替えるベスト8入りを果たした。

次戦はインターハイの成績を超える4強入りがかかった一戦だ。MF4川人 太陽(3年)は「ドリブルを多用する静岡学園は苦手なタイプのチーム。カバーし合いながら、ブロックを作って無失点で行きたい」と意気込みを口にしつつ、「PKはもう嫌なんで、PK狙いじゃなく」と笑いながら80分での勝利を誓った。

(文・写真=森田将義)

▽第98回全国高校サッカー選手権
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