ハーフタイムを終え、雨の弱まりとともに迎えた後半、開始と同時に前線に選手交代を施した両チーム。互いに攻撃面での変化を求めた。

 前半同様、主導権を握るのはやはり東京成徳大高。前半、相手の脅威となっていた両サイド、そしてFWの選手交代を行ったチームの中で効果的な働きを見せたのは後半からポジションをボランチに移した18番。51分には積極的な押し上げからミドルシュートを放つなど前半はあまり見られなかったボランチの攻撃参加で攻撃に厚みを持たせた。

 対して10番から15番というFWの縦ラインが唯一、攻撃の糸口となりつつあった武蔵は後半に入ると、左サイドで仕掛ける場面が増えてくる。後半からFWに入った11番の左サイドでのプレーにチャンスの可能性を感じさせるもシュートまで持ち込めない状況を打開するまでには至らなかった。

 3点をリードしながら攻撃の手を緩めない東京成徳大高は68分、山口のスルーパスからゴール前に抜け出した途中出場9番がGKと1対1の場面を迎える決定機も決めきれず。70分過ぎからは代わって入ったばかりの10番のCKが続きゴールに迫るもなかなか追加点が挙げられない。

 それでも79分、選手交代に伴うポジションチェンジで多くのバリエーションが見られた中で4-5-1の布陣に変更、最前線にポジションに入った山口がハットトリック達成となるチーム4点目を叩き出すと、86分にもさらに1点を追加した東京成徳大高。5対0で武蔵を下し、選手権に弾みを付ける勝利を収めた。尚、東京成徳大高はこの勝利により首位に立つ早稲田実業に勝ち点16で並び、得失点差2の2位につけている。