喜ぶ桐光学園イレブン

最後まで目を離さない展開となった強豪対決は、桐光が粘る桐蔭を振り切る

 神奈川県勢として唯一プリンスリーグ関東に所属している桐光学園と6月の高校総体予選では県8強まで勝ち進んだ桐蔭学園による準々決勝。

 試合は序盤から大きく動いた。前半7分、右サイドの深い位置でスローインを受けた桐蔭学園の13番・上村尚輝がペナルティエリアに切れ込んでグラウンダーのクロス。このボールがファーサイドまで流れると、走り込んだ10番・君島克佳が合わせてゴール。桐蔭学園が1点を先制した。

 しかし、桐光学園はリードを許したものの、相手の最終ラインからボランチがパスを受けようとするタイミングに合わせて強烈なプレスをかけ、ボールを奪ったら手数をかけずにショートカウンターという戦術がはまりペースを握る。12分には敵陣に10mほど入った中央やや左の位置でファウルを受けてFKのチャンス。ここで14番・田中雄大が蹴ったロングボールはゴール前のヘディングの競り合いのなかで桐蔭学園の選手に当たって、そのままゴールイン。あっさり1対1の同点に追いつく。

 さらに15分、23分と立て続けにコーナーキックのチャンスを得るなど攻撃の手を緩めない桐光学園。10番・鳥海芳樹や8番・佐藤太一を中心に細かいパス交換で相手守備陣を翻弄したかと思えば、広い視野から逆サイドにロングパスを通すなど幅広い攻撃のバリエーションを見せた。そして、34分にはゴールやや左から鳥海がミドルシュート。このボールが桐蔭学園のDFに当たってGK早川友基は反応できずにゴール。桐光学園は一気に試合をひっくり返した。

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