その価値ある先制点も良いゴールだった。「つなぐことが中途半端になるなら、相手の背後を狙おう」(平野監督)と試合に入り、大きな展開やサイド攻撃で相手の最終ラインを後ろや横へ揺さぶった上で、得点シーンでは中盤から前線へとパスをつないでGKとの1対1との形を作った。ゴールの梶谷やアシストの小池のプレーはもちろん、敵味方の立ち位置や状況を冷静に把握して縦パスを送り込んだ相澤の戦術眼も見事だった。

 チームはこれまで4-4-2や3-4-3などを採用していたが、高校総体予選の敗退後から4-1-2-3へ舵を切った。同時にCBのレギュラーだった梶谷を最前線へ配置して、フィジカルを生かした前線の起点作りを任せた。それにより小池や廣部らサイドアタッカーの攻撃力を引き出しており、梶谷自身も得点力という新しい扉を開いている。この試合の先制点で5試合連続得点となり、リーグ後半戦は5試合で7得点というハイアベレージを記録している。2点目の場面でも彼が起点となったところからゴールが生まれており、スローインから味方へパスを送った3点目とあわせて2アシストも記録した。

 本人はFW起用について「正直、やってみたかった。チームの得点不足を自分が変えたいと思いました。中学からCBだったけれど、夏にFWになってから得点が取れているので自信になっています」と心境を話す。先制点の場面もいいコースに決めており「GKをしっかり見て、ファーストタッチも意識して、シュートは流し込むだけでした」と振り返っている。順調に見えるコンバートだが、本人は「もっと得点できるシーンがある」と満足していない。「履正社はFWからの守備が求められます。守備をした上で攻撃をやるのはしんどいけれど、だいぶ慣れてきました」と更なる成長を目指している。

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