5月27日、駿台学園高等学校と成立学園中学・高等学校の試合は定刻通り18:30に大井ふ頭中央海浜公園スポーツの森 第二球技場にて行われた。整列前の全体での円陣や、試合前の応援団への挨拶で盛り上がる駿台学園とは対照的に、成立学園は入念にアップを行っていた。

 試合開始からボールの主導権を握ったのは成立学園。4-3-3気味にビルドアップから丁寧に攻撃を作ろうとする成立学園に対し、駿台学園は4-4-2気味にハイプレスをかける。

 開始4分、FW9番が積極的裏を狙うも、成立学園DFにケアされる。対する成立学園も前半8分、FW9番の積極的なボールカットからシュート。しかしこれは惜しくもポスト右にそれる。

 9、10番のツートップが積極的なボール奪取を狙う駿台学園に対し、「皆で動かそう」とあくまでも自分たちでボール保持することを選ぶ成立学園。ハイプレスからのショートカウンター対ポゼッションサッカーの構図が出来上がる中、先にゴールを脅かしたのは駿台であった。

 前半21分FW10番からの見事なポストプレーからスルーパスを受けたMF7番のシュートはゴール左に外れる。対する成立学園、前半23分サイドバック6番が左サイドを駆け上がり、鋭いクロスをあげるもキーパーファインセーブ。

 成立学園FW10番が巧みな運動量と技術でDFとMFの間を行き来し、混乱させる。FW9番はDFライン間で常に駆け引きをし、MF7番はバランスを見ながら前に駆け上がったりしていた。この3枚は駿台学園DFを脅かしていた。対する駿台学園もDFリーダー3、4番を中心に強固なDFラインを保ち成立の好きにはされないようにしていた。

 そんな中、攻防はますます激化していく。前半25分駿台学園、FKのチャンス。7番が蹴った精度の高い左足のFKにキーパー溜まらずパンチング。こぼれを拾ってシュートを放つがこれは惜しくもゴールの上。前半30分、今度は成立学園MF7番から絶妙なスルーパスに抜け出したMF11番が絶妙なクロスがあがるが、惜しくもFW10番は触ることが出来ない。前半32分、駿台学園11番がスルーパスを受けシュートを放つが成立学園GKが勇気ある飛び出しでピンチを救う。前半34分、成立学園MF11番に絶妙なスルーパスが出るも、ギリギリの所で駿台学園DF2番がスライディングで防ぐ。

 一進一退の攻防が続くもここで前半終了。「何回でもやり直せ」と指示を送る成立学園GKの通り、前半を通じてボールを保持して攻撃を繰り返した成立学園。虎視眈々とカウンターを狙うツートップ要する駿台。0-0で迎えたハーフタイムはどちらもかなり落ち着いていた。

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