帝京長岡が北越を4-2で下し10度目の県制覇に王手

帝京長岡が10度目の県制覇に王手

 11月3日、第102回全国高校サッカー選手権新潟予選の準決勝2試合が五十公野公園陸上競技場で行われた。第1試合はプリンスリーグ北信越1部に所属する帝京長岡と北越が対戦し、2年ぶり10度目の優勝を狙う帝京長岡が4-2で競り勝って決勝進出を決めた。

 帝京長岡は前半19分。左サイドでボールを受けたMF山村朔冬(3年)がチェンジサイドのロングパスを送ってゴール前に走り込むと、DF松岡涼空(3年)からの右クロスを左足ボレーで折り返す。最後は山村のシュート性のラストパスに反応したFW新納大吾(2年)が中央できっちりと合わせ、先制点をゲットする。たたみかける帝京長岡は24分、右サイドを突破したMF原壮志(3年)のグラウンダーのクロスをMF橋本燦(3年)がファーサイドで押し込み、リードを2点に広げる。

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 今季のプリンスリーグで帝京長岡に2-5、2-9と連敗している北越は細かいパスをつないで反撃。すると28分。MF廣瀬元哉(3年)から左サイドでパス受けたMF久住晴人(3年)が中央に折り返し、最後は逆から走り込んだMF岩崎大翔(2年)が仕上げて1-2とする。

帝京長岡 vs 北越

 北越はハーフタイム明けの後半にエースが目を覚ます。54分、左サイドをオーバーラップしたDF剣持優平(3年)のアーリークロスをニアで受けたFW高橋航輝(3年)が背中に相手を背負いながらトラップで反転し、右足ボレーをゴール左に突き刺す。完全に試合のペースを握った北越は逆転を狙う。60分には自陣右からロングカウンターを発動。久住、FW篠田寛太(3年)とつなぎ、最後は岩崎が左足でゴール左を狙う。だが、シュートは枠を捉えきれない。

 2点あったリードを追いつかれ、試合の主導権を受け渡したかに見えた帝京長岡だったが、一瞬の隙を突く。61分、北越のセンターバックが自陣で高く跳ね上がったボールの処理にもたつくと、FW堀颯汰主将(3年)がそのボールをかっさらう。最後は飛び出した北越GK玉木暖(3年)を左に交わして無人のゴールに流し込み、3-2と勝ち越しに成功。「ラッキーな部分があったが決めることができて良かった」と堀は振り返る。

 北越の反撃ムードを食い止めた帝京長岡はその後、後半途中出場のFW野村塁生(3年)が推進力を生かしたドリブルでゴールに迫る。すると73分、野村が相手守備陣に囲まれながらも単独突破で剥がして右足でフィニッシュ。スコア4-2で北越を下し、10度目の県制覇に王手をかけた。

 多彩なキックで帝京長岡の攻撃をリードした山村は2失点を反省しながらも、「同点に追いつかれても焦りはなかった。決勝はもっと前目でプレーすることを意識したい」。1得点の堀は「チャンスのあとにピンチがあるということを、改めて感じた。気を引き締めて決勝まで準備したい」。谷口哲朗総監督は「3点目のビッグチャンスを決めきれないと。守備でも選手たちは集中してやっているが、修正しなければならない部分がある」と話した。

 優勝した2年前の決勝のピッチに立っている堀は「1年の時は緊張もありピッチが狭く感じたが、経験を積んでいるので、声とプレーでチームを引っ張りたい」とインターハイ予選との2冠に向け、目をギラつかせた。

▽第102回全国高校サッカー選手権新潟予選
第102回全国高校サッカー選手権新潟予選