ハットトリックの活躍をみせた開志学園JSCのFW14阿部日夏太(写真=会田健司)

 先制点を挙げた事で開志学園JSCの勢いは加速。直後の15分にはFW7浅野夏輝が先制点のリプレイを見ているのかと思わせる強烈なシュートを決める。さらに16分には「自分たちの思い通りに崩せた」と相手守備陣を崩すと、最後はシュートのこぼれを拾った阿部が流し込しこんだ。

 連続でゴールを奪われてしまった新潟向陽だったが、その後は粘り強い守備で持ち直す。前半終了間際にはFW13本間琉太がスルーパスから抜け出すと、切り返しでDFを剥がし左足でフィニッシュ。しかしこのシュートは枠を捉えることが出来ず。

 3-0と3点リードで後半を迎えた開志学園JSCは、41分に浅野が左からロングシュートを決めると、47分にはCKからDF4小林和歩がヘディングシュートで5点目。さらに55分、自陣深くで奪ったところから縦に速い攻撃をみせると、FW9小谷野叶がキープで起点を作り、後ろから追い越す動きの連続でゴール前まで迫る。このロングカウンターを最後は阿部が仕留めてハットトリックを達成。

 65分に抜け出した小谷野が7点目を決めた開志学園JSCだったが、終盤は交代枠を使い切った中でケガ人が出てしまい、残り10分弱を10人で戦う事に。それでも最後まで無失点で切り抜け完封勝利。初戦を突破し4回戦に駒を進めた。

 試合後、ハットトリックの活躍をみせた阿部は「この選手権を2年生で経験できているのは大きくて、とても光栄なこと。2年でも出来るところを見せたくて、もっとゴールに貪欲になって、しっかり走ろうと思っていました」と振り返った。

 そして「この一週間も集中して、油断せず、次の試合も圧倒できるように、もっと得点に絡めるように頑張りたいです」と次戦への意気込みを語った。

 一方、大量失点で悔しい敗戦となってしまった新潟向陽。しかし、MF10堀尾大翔は中盤で強さと上手さを随所に発揮し、得点に繋がりそうなパスを配給。本間も前線で奮闘し、持ち前のスピードで裏を狙い決定機を作るなど、印象的なプレーをみせてくれた。

(文・写真=会田健司)

▽第102回全国高校サッカー選手権新潟予選
第102回全国高校サッカー選手権新潟予選