上位対決を制した昌平(写真=松尾祐希)

 とりわけ、素晴らしかったのが豊富なパスの種類だ。下部組織のラヴィーダに所属していた頃から武器にしており、中学3年生の時のU-15高円宮杯でもその才能を発揮していた。

 常に受け手の状況に応じてパスを選ぶ。前方のスペースにボールを出す際はバックスピンをかけて次のプレーに移行しやすい状況を作り、逆にトップスピンをかけて敢えて前に走らせるような球も供給していく。矢板中央戦でも中央からサイドにボールを展開する際に、アウトサイドにかけて味方の足元にピタリと合わせる場面があった。「イメージ的には相手DFの裏のスペースに蹴って、少し味方に戻るようなイメージ」と話す通り、常に受け手のことを考えながらボールを届けるスキルは高校年代でもトップクラスだろう。

 そうしたキックの質はセットプレーにも生かされている。C Kではニアサイドに立つDFの頭上を超えたあたりからファーサイドに落とすボールでチャンスを演出。前半終了間際には左CKから荒井のゴールをお膳立てし、チームの勝利を引き寄せる2点目をもたらした。

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▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2022 関東1部
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