尚志の「ラオウ」が2ゴールに絡む活躍で帝京安積との激しい福島勢対決を制する

この日2得点に絡む活躍を見せた尚志MF岡野楽央(写真=小林健志)

 1月30日、Jヴィレッジにて行われた第21回東北高等学校新人サッカー選手権大会2回戦。ピッチ4の試合は福島県1位の尚志と、3位の帝京安積が対戦する、福島県勢対決となった。

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 試合は前半からあまりボールが落ち着かず、お互いがスピードに乗ってゴールを目指す形となった。その中で徐々にペースを握ったのは帝京安積。キャプテンFW横塚翼(2年)とFW渡辺結心(2年)の2トップが相手陣内に進入し相手DFに強いプレスをかけミスを誘い、ボールを奪うと手数をかけずにシュートまで持ち込んでいった。中でも渡辺は前半だけで3本のシュートを放つが、あと一歩で決めきれない。尚志はDF山田一景(2年)を中心に何とか守り切り、前半を0-0で終えた。

 迎えた後半「ロングボールの後のこぼれ球に対し、セカンドボールを拾うことを意識しました」とボランチのMF岡野楽央(2年)が語る通り、尚志は修正を図り、42分その岡野がゴール前に顔を出し、トラップはミスになってしまったが「ラオウ君(岡野)から左側にボールが落ちてゴールが見えたので振り抜いたら良いゴールが決まりました」と語ったのはこぼれ球を拾ったFW網代陽勇(1年)。「ずっとルーキーリーグに出ていて、プリンスも選手権も出ておらず、トップのデビュー戦でした。ここで得点できればトップに定着できるので、やってやろうと思っていました」と意気込んで試合に臨んだ1年生ストライカーが思い切って振り抜いたシュートが決まり尚志が先制に成功した。

 さらに47分右サイドに開いたFW鈴木虎太郎(2年)からのパスを受けたのは岡野。「味方が良いところに落としてくれて、コースが見えたので流し込むだけでした」というシュートが決まって2点差とした。その後は尚志が押し込む時間が長かったが、終盤帝京安積も反撃し、試合終了間際の70分DF渡部心大(2年)のクロスボール処理を尚志DFが誤り、オウンゴールとなって1点差とする。しかし帝京安積の反撃もここまでで、尚志が2-1で逃げ切りベスト4進出。1月31日9:30~の準決勝でノースアジア大明桜(秋田県1位)と対戦する。

 尚志は日本高校選抜の練習へ行った仲村浩二監督が不在。小室雅弘コーチは「公式戦は初めてだったので硬さが出ました」と前半を振り返った。29日に行われる予定だった羽黒高との1回戦が不戦勝となったため、この日が初戦となったことも影響はあったようだ。またこの日は強風が吹き、前半は向かい風だったこともあって岡野は「前半は向かい風で苦しみましたが、後半は追い風で良い感じでボールを動かせました」と振り返った。

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▽第21回東北高等学校新人サッカー選手権大会
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