茨木が後半3発で千里を破り大阪公立高校プレ大会王者に輝く!

令和3年度大阪公立高校プレ大会決勝 千里 vs 茨木

 3月6日、令和3年度大阪公立高校プレ大会の決勝がJグリーン堺S1で行われ、千里茨木が大阪公立校No.1を目指し激突。終始優勢に試合を進めた茨木が後半にMF高瀬の2ゴールを含む3ゴールをあげ、3-0で千里を破り見事な優勝を飾った。

 千里のスターティングメンバーは
GK広江太紋
DF浪崎陽、井上玲、森俊太朗、長谷川知遠
MF塚原渓人、庄司薫、渡部祐世
FW永山逸成、大部新太、岸本颯太

 対して茨木は
GK藤原大輝
DF武田和樹、高橋岳、藤井優乃介、淺香悠仁
MF伊﨑陽斗、小林勇翔、高瀬英太郎、泉谷賢、乾晶仁
FW坂田晃樹
連戦となるが、両チームとも準決勝からメンバーを変えずに試合に臨んだ。

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 Jグリーン堺S1会場のナイター開催という事で、準決勝までとは雰囲気も全く違う中でのキックオフ。試合開始から茨木が攻勢に出ると、千里は自陣でブロックを作る。一方的に攻める茨木だったが、スペースも少ない中で中々決定機を作れずに時間が経過する。

 防戦一方だった千里も次第に相手の攻撃に慣れ始め、11番FW永山逸成が得意のドリブルで相手陣内へ押し返すシーンも。右サイドの2番DF長谷川知遠も機を見て果敢にオーバーラップし上下動を繰り返す。茨木は19番GK藤原大輝も高い位置を取りビルドアップに参加し丁寧にパスを繋いでいく。CKでもトルメンタやショートコーナーなど、バリエーションを変えながらゴールに迫る。

 30分には右サイドを攻略し、ゴール前でパスを受けた39番FW坂田晃樹が決定機を迎えるも、シュートは僅かに右に逸れてしまう。ボールを保持し続けた茨木だったが、ゴールは生まれず前半はこのままスコアレスで終了した。

ゴールを決めて喜ぶ茨木イレブン

 後半に入っても茨木優勢の展開は変わらず千里を押し込む。47分にはボックス内右でパスを受けた坂田が見事なトラップでマークを剥がしシュート。その1分後にも47番MF泉谷賢がドリブルで仕掛けシュート。しかしこれは千里の守護神GK広江太紋に指先でコースを変えられてわずかに枠の外へ。

 圧倒的に押し込みながらもゴールを奪えないまま終盤を迎え、嫌な空気が漂ってきた茨木だったが遂に待望の先制点が生まれる。55分、右CKからの76番MF高瀬英太郎のヘディングシュートがゴール直前で弾かれた茨木だったが、セカンドボールを拾い前線に浮き球を入れると、競り合ったボールが高瀬の元へ。「前半からシュートを打てていなくて、シュートしか頭になかった」という高瀬が迷いなく右足でボレーシュートを放つと、強烈なシュートがゴールネットに突き刺さった。

 先制に成功した茨木はその後も攻めの姿勢を崩さず迎えた57分、前線左でパスを受けた高瀬が「1点取って気持ちも落ち着いて、コースも見えた」と左足を振り抜くと、シュートはGKもノーチャンスのコースへ飛び逆サイドネットに収まった。これで2点にリードを広げた茨木は66分にも左CKからダメ押しの3点目。そのまま3-0で試合は終了した。

 決勝の舞台でも見事なサッカーを展開した茨木イレブン。今大会は都監督の意向もあり、選手たちが試合に向けて戦略も考え、練習メニューも考えた。ハーフタイムにはサブの選手たちも含め全員で意見を出し合う姿も。セットプレーでも相手に絞らせない程沢山のバリエーションを用意していた。昨年からの主力が多く残るチームという事もあり、チームの完成度の面でも他チームを寄せ付けなかった印象だ。今後のリーグ、インターハイ、選手権も公立校の代表として期待されるチームになるだろう。

 対する千里も決勝まで7試合を戦い7連勝と見事な勝ち上がりをみせてくれた。キャプテンのGK広江を中心に意識も高く、球際でも戦えて前線にも期待できる選手が揃っている。この大会で得た貴重な経験や悔しさをこれから始まるリーグやインターハイで生かせるよう期待したい。

 そして「大阪の公立校を強化したい」の一心でコロナ禍で学校行事もある中で、なんとか企画・運営して大会を成立させた先生方。部活活動自体が制限され、出場辞退を余儀なくされたチームもあったが、各公立校の先生方が協力し合って無事決勝戦まで開催できたことを嬉しく思う。今回のプレ大会から来年は第1回公立高校大会に名前を変えて開催出来ることに期待したい。

 (文・写真=会田健司)