サガン鳥栖U-15が2大会連続Vに王手

先制ゴールを決めたサガン鳥栖U-15FW11渡邊翔音(写真=松尾祐希)

 サガン鳥栖U-15が2大会連続となる夏の日本一に王手を掛けた。

 8月23日、日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会の準決勝が北海道の帯広市で行われ、鳥栖U-15は東京ヴェルディJrユースと対戦。序盤から相手にボールを支配されたが、鳥栖らしい球際の強さとハイプレスでリズムを掴む。ボールを奪った後は鋭いショートカウンターで決定機を作り、37分にはFW山﨑遥稀(3年)の左クロスにFW渡邊翔音(3年)が頭でネットを揺らす。後半に入っても足は止まらず、7分には高い位置でボールを奪った田中佑磨(3年)が山﨑にラストパス。相手の素早い寄せを受けながらも強引に運び、右足で強烈なシュートをねじ込んだ。リードを広げた後は相手の猛攻に耐える時間が続いたものの、CB大場章太郎(3年)を軸に体を張った守備でピンチを凌いでいく。終了間際の38分にゴール前の混戦からFW川村楽人(3年)に1点を返されたが、最後までリードを守り切った鳥栖が決勝進出を決めた。

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 鳥栖は中止となった昨年度の大会を除くと、直近4大会で3度目の決勝進出だ。過去2回の決勝ではいずれも優勝。近年のジュニアユース年代ではコンスタントに結果を残しているのは間違いない。そうした安定した結果を残している背景には、クラブ全体で育成のメソッドを共有できている点にある。2017年にオランダ1部のアヤックスと提携し、独自の育成プランを育んで多くの選手を上のステージに送り出してきた。高校3年生ながらトップチームで活躍する中野伸哉や高校2年生となった今季にJデビューを果たした福井太智などは鳥栖U-15の出身。U-18に留まらず上のステージに挑んでいるのも、早い段階から一貫したトレーニングを積んできたからこそだろう。

 戦術面や技術レベルはもちろん、球際の強さやハードワークといった個人戦術の部分は鳥栖の伝統として根付いてきた。準決勝で存在感を示した山﨑と大場は例に漏れず、“らしさ”を持った選手。森恵佑監督もふたりのプレーについてこう話す。

東京ヴェルディジュニアユース vs サガン鳥栖U-15(写真=松尾祐希)

 「山﨑のパフォーマンスは素晴らしかった。守備の献身性もありますし、ゴール前のクオリティも出せましたし、そういう意味では良かったですね。本当に自分たちのクラブのFWだなという感じがありました」

 「(押し込まれた場面では)大場を中心に声を切らさず、戦ってくれた。ちょっと頼もしくなりましたね。今までは言われている立場。元々明るい性格で、(今大会は)引っ張っていくというところが出てきてすごく成長しているなと感じます」

 ブレずに取り組んできた鳥栖が連覇を懸けて、24日の決勝に挑む。「決勝でも鳥栖らしいゲームがしたい」(森監督)。相手はFC東京U-15むさし。自分たちが積み重ねてきたスタイルを発揮し、2大会連続の優勝を勝ち取れるか注目だ。

(文・写真=松尾祐希)