先制を許すも後半一気に逆転!全国に向けて流経大柏が初戦を突破

流通経済大柏 vs 日体大柏

 「前半は少し硬くなっていたし、相手の大きなFWに入るボールをなかなかはね返せず、バタバタしてしまったけれど、後半は本来の姿を取り戻すことができました。こういう試合を乗り越えると、チームとしても成長できる。今後の伸びしろをすごく感じられる試合になりました」(流経大柏・榎本雅大監督)

  第100回全国高校サッカー選手権千葉予選決勝トーナメント2回戦のなかでも屈指の好カード。いわゆる“柏ダービー”となった流経大柏対日体大柏は、立ち上がりから緊迫感にあふれ、一瞬たりとも目が離せなかった。

 優勝候補の一角である流通経済大柏に対して、腰の引けたような戦いをしなかった日体大柏。空中戦に強い大型FWの鈴木隼(3年)にボールを集め、その周囲を味方選手がタフに動き回ってチャンスをうかがった。シンプルながら、しっかりと意思統一された攻撃が前半のうちに実を結んだ。

 流経大柏のゴール前でのこぼれ球の拾い合いからFW吉田眞翔(2年)が鮮やかな先制パンチ。日体大柏の歓喜の輪が広がった。

 その傍らで、流経大柏はすぐさま円陣を組み、「このままでは終われない」と自分たちがやるべきことを確認し合う。ハーフタイムをはさんで、さらにギアアップ。交代出場の小林恭太(3年)が後半9分に振り出しに戻すと、その5分後にキャプテンの渋谷諒太(3年)がPKをけり込み、瞬く間に逆転した。

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流通経済大柏キャプテン渋谷諒太がPKを決める

 「いつもは別の選手がけるんですけど、“僕に任せてほしい”と自分からいいました。GKにコースを読まれていたとしても強いボールなら入る。そういう気持ちで、ねらったコースに思いきってけりました。前半は相手に合わせてしまったというか、受け身に回っていたけれど、後半は強気にプレーできた。(試合の流れを変えていくうえで)得点しただけではなく、相手ゴールに向かって積極的に動き出してくれる小林の存在も大きかったです」(渋谷)

 リードしてからの流経大柏の試合運びはさすがの一言。トドメの3点目を虎視眈々とねらいつつ、スキを与えない守備で要所を締めた。3年ぶり7回目の本大会出場を目指し、何かと難しさのあるトーナメント初戦を突破した流経大柏。次なる相手は強豪の八千代だ。

(文・写真=小室功)

▽第100回全国高校サッカー選手権千葉予選
第100回全国高校サッカー選手権千葉予選