浦和南、4-0で浦和東を下し3年ぶり24度目のベスト4進出

浦和南MF大里直也

 第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選の決勝トーナメントは30日、浦和駒場スタジアムで準々決勝2試合が行われ、第2試合は浦和南浦和東に4-0で完勝し、3年ぶり24度目のベスト4に勝ち上がった。11月7日の準決勝で、3年ぶり15度目の決勝進出を懸けて立教新座と対戦する。

 相手のひとりひとりを厳しく監視し、奪ったボールを素早く的確に前線に送った浦和南のリズムで試合は進んだ。大里直也と宇山友貴の両3年生MFが、左右から速く激しく相手陣営に襲い掛かり、ゴールチャンスをうかがった。

 浦和南は前半33分、2試合連続先発のFW立沢太郎(2年)が、MF坂本空翔(3年)の落としたボールを左足で決めて先制点を奪った。前半終了間際にも大里のシュートが相手DFに当たってコースが変わり、ゴール左隅に入って2点目。前半を2-0で折り返した。

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浦和南 vs 浦和東

 対する全国高校総体予選ベスト4の浦和東は、相手のタイトな守りに局地戦で競り負け、司令塔で主将のMF紀武瑠(3年)からの好展開がなかなか生まれなかった。得点力のある前原健人と櫻井龍星の3年生2トップに、生きたボールを供給できず、前半はシュート1本に封じ込まれてしまった。

 浦和南は後半に入っても守備的にはならず、前半と同じように長いボールを主体にサイドから攻め立てた。大里が14分に左から持ち込んで惜しいシュートを放ったが、GKに捕球された。大里は26分、MF伊藤北斗(2年)のパスを預かり、同じように左からシュート。今度はゴール右隅に決めて決定的な3点目をものにした。さらに33分、相手の横パスをカットした途中出場のFW三上倫空(3年)が、豪快な一撃を突き刺して駄目を押した。

 後半の浦和東は攻撃が活性化し、5分のMF三浦祥(3年)の鋭い右クロス、19分の櫻井の強シュート、27分にはFW豊田春斗(3年)のパスから前原が狙ったものの、わずかに右に外れてしまった。浦和南の野崎正治監督は2013年3月までの24年間、浦和東を指導して弱小チームを全国高校選手権に5度、全国高校総体に7度も出場させた。そんな縁の深い相手との対決となり、「浦和東は弟のような存在なので、対戦できて楽しかった。スタンドに掲出された“浦和南”と“浦東”の横断幕を見てうれしくなりました」と感慨深げだった。

 試合については「先制して落ち着けたが、あれがなかったら(勝敗は)分からなかった。力の差はなかった。相手に故障明けの選手もいて、万全な状態でなかったから助かった」と述べ、快勝したことをことさら喜ばず、むしろ“古巣”をいたわった。

 前回大会からレギュラーのCBとして門番を務める主将の坪井優太(3年)は、浦和南が3年前の決勝で昌平を破って優勝した試合をテレビ観戦して入学を決めた。「ここまで3試合ゼロで抑えているので、このまま無失点優勝を目指したい。空中戦の競り合いには絶対負けたくありません」と意気込みを示した。

 浦和東の平尾信之監督は「1-2にすればば戦況は変わると思ったが、取れなかった。初めから後半のようにできていれば……」と悔やんだ。

           

(文=河野正)

▽第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選
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