長期離脱から復帰の吉野らの活躍で、西武台が埼玉栄を下してベスト8進出

勝利した西武台イレブン

 後半に流れを引き寄せた、西武台が11年ぶりの檜舞台出場へまた一歩近づいた。

 10月23日、第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選3回戦が行われ、西武台埼玉栄と対戦。前半から攻守で主導権を握ると、後半に2得点を奪って勝利を手にした。

 4-3-1-2でスタートした西武台は遅攻と速攻を織り交ぜ、深い位置までボールを運んでいく。トップ下の和田力也(2年)が効果的にボールを受け、最前線の市川遥人にボールを届けた。しかし、なかなかフィニッシュに持ち込めず、時間の経過とともに相手のショートカウンターに手を焼いてしまう。特に左右のボランチが攻め上がった後の脇を上手く使われ、セカンドボールへの反応が鈍くなる。キャプテンの右SB原田蓮斗(3年)も「相手の10番にロングボールが入った時に、誰が対応するのか迷ってしまった」と振り返ったように、前半は一進一退の展開でスコアレスのまま終えた。

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埼玉栄 vs 西武台

 後半、西武台はシステムを4-2-3-1に変更し、ボランチに吉野光(3年)を投入。この交代策が功を奏し、中盤でボールが拾えるようになる。吉野がCBの前で防波堤となり、こぼれ球にも一目散に反応。中盤の守備が改善されると、前線からのプレスも効果的に機能していく。55分には和田のスルーパスから決定機が生まれると、MF山本匠馬(3年)が難なく決めて先制点を奪った。これで勢いに乗った西武台は以降も市川を軸に攻撃を展開。60分にはDFの背後に抜け出したMF丸山実紀(3年)がネットを揺らし、リードをさらに広げた。

 以降は相手の攻撃をうまく跳ね返しながら、ボールを前に運んだ西武台。うまく時間も使いながら試合を進め、相手に付け入る隙を与えない。

 「相手がある程度力を持っているの分かっていた。選手たちは身体が重く、噛み合っていない部分はあったと思います。うちは怪我人が多いので、彼らが出場できる時間帯まで0-0でいけば、なんとかなると信じていた」とは守屋保監督の言葉。長期離脱で今予選からチームに戻ってきた吉野らの活躍で、西武台が埼玉栄を下してベスト8進出を決めた。

▽第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選