狭山ヶ丘が県立川越を2-0で退けブロック決勝進出

 第100回全国高校サッカー選手権埼玉県予選1次予選2回戦、シードで初戦の狭山ヶ丘と1回戦21-0で勝ち上がった県立川越の試合は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、原則、無観客で行われた。

 「ラスト20分勝負で、そこまでは最低1失点で行って、チャンスは必ずくるから、そこを取れるかどうかで勝負」と県立川越の相馬監督がチームで試合前に共有したゲームプラン。

 前半開始早々から、現在埼玉県Wリーグを1位で独走している狭山ヶ丘は猛攻を仕掛ける。10番MF杉山耀太が中央で両サイドに展開し、右サイド2番行方颯汰と7番大木瑛太、左サイドの6番坂爪然が崩しにかかるも、県立川越3番DF前田幸星と4番DF林駿太郎を中心に再三にわたり狭山ヶ丘の攻撃を跳ね返す。中を突破出来ない狭山ヶ丘はミドルシュートで得点機を狙うも、1番GK遠藤壮一郎が立て続けにシュートブロックを連発し、ゴールを割らせない。

 前半アディショナルタイム、このまま折り返すかと思われたが、ゴール前の混戦からこぼれたボールを狭山ヶ丘9番FW田中清登が左足で振り抜き先制点をあげる。

【フォトギャラリー】狭山ヶ丘 vs 県立川越

 前半終了間際に失点してしまったが、1失点まではOKとゲームプランを共有出来ており、後半も集中力を切らさない県立川越は、前半同様に狭山ヶ丘が両サイドをうまく使いながら、真ん中を空けにいくが、素早いスライドとマークの受け渡しで決定機を作らせない。そして後半10分過ぎに県立川越はまさにゲームプラン通りの展開で最大のチャンスが訪れる。中盤で奪ったボールを、素早く前線に繋ぎ、左サイドで6番MF岩尾康平がDFを引き付けて中央へクロス。中央でフリーとなっていた、19番宮寺功大が右足で合わせるも惜しくもミートせず。「ここで決められたら完全にゲームプラン通りだった」と相馬監督が語ったように、この試合最大のチャンスを活かすことが出来なかった。その後も諦めずに県立川越はカウンターを仕掛けようとするも、狭山ヶ丘は先ほどのピンチをチームで修正し、リスク管理をしながら試合を進めていく。そして後半30分に狭山ヶ丘は、右サイドでボールを受けた7番大木瑛太がカットインから左足を振り抜きゴール左上に突き刺して試合を決定づけた。そのまま試合は終了し狭山ヶ丘が2-0で勝利しブロック決勝に駒を進めた。

 狭山ヶ丘の西澤監督は「ゴール前を固められて苦しい展開になりましたが、ワイドに使って、相手が嫌がる事をやろうと話をしていて、なかなか点数が入らなかったですけど、じれずに粘り強くやろうと話をしていました。ゴール前の精度を上げて、集中力を高めてとれるようにしないといけない。このような展開のゲームは多くなるとは思いますが、今日の苦しかったことを次までに修正をかけて必ず勝って次に進めるように頑張ります」と課題と意気込みを語った。

 敗れた県立川越の相馬監督は「選手は本当に頑張ってくれた。選手権はここで敗戦になったけど、まだリーグ戦が残っているので最後まで頑張ります」と悔しさを滲ませながら、3年生とのラストのリーグ戦に向けて意気込んだ。勝利した狭山ヶ丘は、ブロック決勝で山村学園に5-0で勝利し勝ち上がってきた松山と29日に対戦する。