序盤の劣勢を跳ね返した堀越が2点を奪い成立学園に完封勝利

堀越が成立学園を撃破(写真=矢島公彦)

 6月13日、令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選2次トーナメント準々決勝が行われた。

 つなぐサッカーを主体とする堀越成立学園の両チーム。どちらが勝ってもおかしくない展開は、目が離せない好ゲームとなった。

 成立学園はGK1西大輔(3年)、DF2山崎夏樹(3年)、DF3田中佑典(3年)、DF4丸山寿潤(3年)、DF5佐藤由空(2年)、MF6関根怜央(3年)、MF7柏田凌佑(2年)、MF8大崎日向(3年)、MF9影山拓海(3年)、FW10吉長由翔(3年)、FW11斎木大和(3年)がスターティングメンバーに名を連ねた。堀越はGK1菅野颯人(3年)、DF2久保木舜稀(2年)、DF4渡部美紗哉(3年)、DF5宇田川侑潤(3年)、MF6宇田川瑛琉(3年)、MF20吉荒開仁(1年)、MF10古澤希竜(3年)、MF13小林宏太(3年)、MF14山口輝星(3年)、MF15中村ルイジ(3年)、FW19高谷遼太(1年)という11人が先発メンバーとなった。

 成立学園のキックオフで試合開始。始まって1分経たないうちに、成立学園のMF関根がファーストシュートを放つ。これは堀越ディフェンダーの足に当たりコーナーキックとなる。キッカーを務めるFW斎木が蹴ったボールは、逆サイドへ流れるものの、味方がマイボールにし、そこからセンタリングを上げる。しかし、堀越のGK菅野がしっかりキャッチする。

 主導権を握った成立学園はFW斎木が中盤でパスを散らす。加えて、最終ラインからのボールの出し入れもあり、的を絞らせない。堀越は前の試合での圧倒的なボール支配が影を潜め、守備に走る機会が多くなる。

 12分、成立学園は、センターフォワードの位置でプレーする吉長にボールが入り、2列目の大崎に送ってシュート。これは枠を外してしまう。20分、またも吉長がボールをキープし、大崎へはたいたところで、右サイドバックの山崎がオーバーラップを仕掛ける。大崎を追い越すと、空いている前のスペースにパスが出て、山崎がセンタリング。しかし、ボールは直接ゴールラインを割ってしまう。

 試合は30分を過ぎたあたりから、堀越が流れを引き寄せる。それまで成立学園ディフェンダーによって抑えられていたトップ下の山口が、ボールを持って前を向けるようになる。35分、中央からドリブルで攻め上がり、左サイドを走る中村へパス。これは流れてしまう。

 するとアディショナルタイム。山口が中央でボールを受けるとドリブルを開始し、右サイドの空いたスペースに、古澤を走らせるようなスルーパスを送る。追いついた古澤は敵陣の深い位置からセンタリング。成立学園ディフェンダーの頭を超えるふわっとしたボールに、ゴール前で待ち構える中村がヘディングで合わせて堀越が先制点を上げる。ここで前半が終了となる。

堀越 vs 成立学園(写真=矢島公彦)

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 後半は、序盤から堀越ペースで試合が進む。10分、山口、宇田川瑛琉、古澤とつなぎ、最後は中村がシュート。これはゴールマウスの上へと外れる。

 12分、山口がボールをキープし、成立学園ディフェンダーの背後へスルーパスを送る。走り込んだ高谷がキーパーの頭上を越えるループシュートを放つ。これが決まって、堀越が追加点を奪う。

 早い時間帯に1点を返したい成立学園は、16分にコーナーキックを獲得。蹴られたボールに大崎が頭で合わせるもののゴールマウスの横へと外れる。20分を過ぎたあたりから、成立学園はパワープレーを出してくる。23分、右サイドから丸山がロングスローでゴール前にボールを放り込む。ライナー性のボールに対し、競り合いから佐藤が頭で合わせる。見事にネットを揺らし、ガッツポーズをする佐藤に成立学園イレブンが駆け寄るが、佐藤がファールを取られてノーゴール。

 27分にも丸山がロングスローでゴール前にボールを入れる。これは堀越がコーナーキックへと逃げる。このコーナーキックを、佐藤がヘディングシュート。しかし枠には飛ばず、ゴールキックとなる。

 成立学園は選手交代で打開を試みるが、試合を終わらせに入った堀越の守備を崩すことができない。丸山のロングスローに対しても堀越は対応できるようになり、しっかりと跳ね返す。

 アディショナルタイム、ペナルティエリア付近で成立学園がフリーキックのチャンスを得る。斎木が蹴ったボールは惜しくもサイドネットを直撃。ここで試合終了の笛が吹かれ、2-0で堀越が勝利し、帝京との準決勝へコマを進めた。

(文=滝沢ヤス英 写真=矢島公彦)

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選