試合終了間際の劇的ゴールで駿台学園が“優勝候補”の國學院久我山を下す!

國學院久我山 vs 駿台学園(写真=矢島公彦)

 6月12日、令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選2次トーナメント準々決勝が行われた。

 令和3年度関東高校サッカー大会に出場した國學院久我山は、この準々決勝からの登場。対する駿台学園は、2回戦の暁星高等学校戦で苦戦を強いられ、この試合に合わせて立て直しを図ってきた。下馬評ではT1所属の國學院久我山がやや優勢とみられる中、ゲームは劇的な結末となった。

 國學院久我山はGK1村田新直(3年)、DF2飯野広陽(3年)、DF3木下泰輝(3年)、DF4永澤昴大(3年)、DF7岡井陶歩(2年)、MF6飯塚弘大(3年)、MF14森次結哉(3年)、MF8加藤圭裕(3年)、FW13高橋作和(2年)、FW18塩貝健人(2年)、FW10安田修都(3年)の11人が先発メンバー。駿台学園はGK1内堀詩音(3年)、DF23印南佐介(3年)、DF3池上寛大(3年)、DF5竹富皓大郎(3年)、DF20山本航矢(3年)、MF17三浦裕心(2年)、MF6梅原壮太(3年)、MF8岡野駿(3年)、FW14村上豪(3年)、FW10鶴岡飛嘉(3年)、FW9大熊悠希(3年)がスターティングメンバーとなった。

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 國學院久我山のキックオフで試合開始。國學院久我山はグランド全体を使ったボール回しから、3分にFW塩貝がドリブルでチャンスを作り、中央へグランダーのパスを送る。これは味方につながらず。その1分後、駿台学園は左サイドから中央へとパスをつないでシュート。しかし國學院久我山DFがカットする。さらに14分にも右サイドでパスをつなぎ、ゴール前にボールを入れるが味方に合わず得点には至らない。

 國學院久我山はFW塩貝と安田を中心に攻撃を仕掛ける。しかし塩貝にマンマークがつくと、徐々に攻撃の形が作れなくなる。すると流れからではなく、セットプレーで好機を見出そうとするが、駿台学園が守り抜く。

 32分、駿台学園は中央から右サイドへ流れたFW大熊がボールを受け、敵陣深くまで切れ込み、ゴールラインぎりぎりの位置からセンタリング。ラインを割ったと思った國學院久我山ディフェンス陣の足が一瞬止まる。ボールは山なりの軌道を描き、中央で待ち構えていたMF梅原が頭で合わせてゴール。駿台学園が先制した。

久我山撃破の駿台学園イレブン(写真=矢島公彦)

 反撃に出たい國學院久我山は、39分、FW塩貝が左サイドでボールキープし、左サイドから中央へポジションを移したFW安田へパス。安田がシュートを放つもゴールをわずかにそれる。アディショナルタイムには、コーナーキックからDF飯野がシュートを打つもゴールの上を超え、前半終了となる。

 後半は、早々から國學院久我山がボールを放り込む展開。すると4分、右サイドからチャンスを掴み、ゴール前で待つFW安田へとパスがつながると、安田が左隅へとシュートを決め同点に追いつく。

 早い時間帯で追いついたことで活気づいた國學院久我山は、駿台学園のサイドバックの背後に好機があるとみて、そこに次々とパスを供給。ポジションチェンジも頻繁に行い、駿台学園の守備をかき回す。

 19分、國學院久我山はゴール正面の位置でフリーキックを獲得。蹴るのは塩貝と途中交代で入ったFW9小松譲治。右足から放たれたカーブのかかった軌道は、駿台学園の壁を越えてゴール右隅へ向かう。だが、わずかに外れる。

 國學院久我山は26分、駿台学園DFがクリアしたボールに対して走り込んできたDF岡井がシュートするも、ゴールを割るまではいかない。32分にもペナルティエリアのやや外でフリーキックを得るが、今度は駿台学園の壁に当たり逆転ならず。

 ずっと我慢が続く展開だった駿台学園は、39分、ようやくチャンスを掴む。コーナーキックから鶴岡がボールを蹴り、敵味方入り乱れた中で竹富がヘディングシュート。これは惜しくもフィットせず。

 しかし直後の40分、駿台学園は途中出場のMF11小林嘉生がシュートを放ち、國學院久我山キーパーがはじいて、再びコーナーキックを獲得。キッカー鶴岡が蹴ったボールはゴール前の密集地帯へと向かい、ゴール前で待ち構える竹富がジャンピングヘッド。今度は高い打点でボールを捉え、ゴール右隅へと決まる。延長戦を見据えた中での駿台学園に待望の追加点が入った。

 この直後に試合終了のホイッスルが鳴り、駿台学園が優勝候補の一角とも目されていた國學院久我山を撃破。準決勝進出を決めた。

(文=滝沢ヤス英 写真=矢島公彦)

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選