予選ではメンバー外を味わったMF奥野龍登が全国の舞台で躍動!奥野の決勝ゴールで関西学院を2-1で下した大阪桐蔭が3回戦で静岡学園に挑む

予選ではメンバー外を味わったMF奥野龍登が全国の舞台で躍動

 令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)は8月16日に2回戦が行われ、テクノポート福井総合公園スタジアムで行われた大阪桐蔭(大阪)と関西学院(兵庫)の一戦はMF奥野龍登が決勝ゴールをあげた大阪桐蔭が2-1で関西学院を下し3回戦に進出した。勝利した大阪桐蔭は8月18日に静岡学園とテクノポート福井総合公園スタジアムで対戦する。

 先手を取ったのはこれがインターハイ初戦の関西学院。関西学院は出足が鋭く大阪桐蔭に自由を与えない。すると16分、左CK7番FM岩﨑陸歩からの鋭いボールに「空中戦は小さいころから得意で空中戦だけは譲れなかった」と6番MF西谷京祐が打点の高いヘディングシュートで合わせゴールネットを揺らした。

 しかし「出だしは良かったんですけど、飲水タイムで流れが変わってしまった」山根誠監督が言うように、飲水タイム明けから関西学院の勢いが失速し次第に流れは大阪桐蔭へ。すると29分、大阪桐蔭はパス交換で抜け出した8番MF室勇志がボックス内で倒されPKを獲得。これを10番FW中塚亮晴が一度はGKにストップされるもこぼれたところを詰めて同点に追い付く。

 後半に入っても流れは大阪桐蔭。45分にアクシデントで14番MF藤澤壮汰が交代。MF室が右サイドからボランチにポジションを移し攻撃を組み立てる。このポジションチェンジでMF室と左サイドの7番MF奥野龍登の距離が近づくとMF奥野に良い位置でボールが入るようになり、得意のドリブルでチャンスを作っていく。

【フォトギャラリー】2回戦 大阪桐蔭 vs 関西学院

インターハイ2回戦 大阪桐蔭 vs 関西学院

 そして迎えた48分、右サイドから5番DF朝山大輝がファーサイドにクロスを送ると15番MF柳秀聖がこれをヘディングで落とす。これにMF奥野がダイレクトで右足を振り抜きゴールに突き刺した。逆転を許した関西学院も反撃に出ようとするが、大阪桐蔭の集中したプレスに手を焼き決定機を作れないまま試合終了のホイッスルが鳴った。

 決勝ゴールとなる2点目を決めたMF奥野龍登は「この全国大会では自分が点を取ってチームを勝たせるって想いでやっていたので、まずこの点を取れて勝てて良かったです」と胸を張った。今年の新チーム始動の際は中心選手として期待されていたMF奥野だが、ここまで順調に来たわけではない。インターハイ大阪予選ではメンバー入り出来ずボールボーイとしてピッチの脇で仲間の活躍を見守ってきた。

 本人は「変わったとこは特にないです」と言うが、「気を使ってみんなに声掛けをして、1年生2年生がやるようなことを自分が率先してやるってくれている」と永野悦次郎監督も奥野の行動を見守ってきた。そしてこの全国大会では再びメンバー入りを勝ち取り、1回戦では後半途中出場で流れを変える活躍。そしてこの2回戦ではスタメン出場し決勝ゴールを決めた。

 試合に出ていなかった期間が長かった為「パフォーマンスがまだまだ上がっていない」と言うMF奥野。次の相手は「中学のチームメイトが多く行っていて自分も行こうか迷った」と縁のある静岡学園。静学の特徴でもあるテクニックに大阪桐蔭のドリブラーMF奥野が挑む。「自分もちゃんと絡んでチームが点を取れるように、絶対に次に駒を進められるように、自分の力を全力で出していきたいと思います」と次戦に向けて闘志を燃やした。

(文・写真=会田健司)

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)