東山がキャプテン夘田の劇的ゴールで三重を下し8強進出!

先制ゴールと後半アディショナルタイムの決勝ゴールを決めた東山DF夘田大揮(写真=森田将義)

 令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)は18日に3回戦を行った。日東シンコースタジアム丸岡サッカー場で行われた[team]東山team](京都)と[team]三重team](三重)の一戦は、DF夘田大揮(3年)の2ゴールで東山が勝利した。

 

 ファーストチャンスは三重。前半3分にFW吉良元希(3年)の左クロスから、中央のFW浅井勇飛(2年)がヘディングシュート。GK佐藤瑞起(2年)に弾かれたボールが浅井の下へと再びこぼれて、再度フリーでゴールを狙ったが、枠を捉えることができない。相手の目を覚ませるのに十分なスタートを切ったが、以降は真田蓮司(2年)と松橋啓太(2年)のダブルボランチを中心に落ち着いたボール回しからチャンスを伺った東山がボールを握り続けた。三重の徳地俊彦監督は、東山の印象について、こう振り返る。「相手の子たちは皆上手かった。トーナメントで負けたら終わりという中できちんとした技術を持っているし、判断もできていた」。

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 主導権を握った東山だが、「テンポが上がらず、ただ回しているだけになっていた。相手からすれば、やりやすかったと思う」(福重良一監督)のも事実。福重監督は「前の試合をチェックしたら、凄く粘り強い守備をするチームだったのである程度は(点が獲れないと)覚悟はしていた」と続けるが、DF逵村健斗(3年)を中心に隙を見せない三重の守備に焦り、相手エリアでのミスが多かった。

 風上に立った後半は途中から入ったMF清水楓之介(2年)のパスを松橋が落として、真田がミドルシュートを放つなど積極的にゴールを狙ったが、1点が遠い。PK戦も見え始める中、試合終盤に魅せたのは福重監督が「今日の試合は彼がキーになると思っていた」と話すDF夘田大揮(3年)。指揮官からの期待に応えるため、2回戦の前橋育英(群馬)戦は、MF笠柳翼(3年)封じのシフトを組み、ベンチから試合を見守った悔しさを晴らすため、「今日は絶対にやってやろうという気持ちだった」と夘田は口にする。

東山 vs 三重(写真=森田将義)

 22分には、右CKから持ち味であるセットプレーの強さを発揮し、ヘディングで先制点をマーク。28分にはPKを吉良に決められ、同点に追いつかれたが、35+3分に夘田が再び見せる。MF石井亜錬(2年)からのパスを右サイドで受けたMF阪田澪哉(2年)が、「パスをくれた選手が縦に抜けてくれたので、スペースが生まれた」と上手く抜け出し、クロス。ゴール前に低く入ったボールは、「残り時間が少なくなっていたので、行ったろうと思っていた。たまたま良い所に来たので右足を振りぬいたら、良い所にシュートが飛んでいった」と振り返る夘田のゴールとなり、2-1で東山が勝利した。

 技術力の高い2年生が注目される東山だが、今大会では夘田を始めとして3年生も声や背中でチームを引っ張りながら、要所で活躍している。インターハイへの出場を決めた後は、チームに気の緩みも見られたが、大会に入ってからの雰囲気は良好で、更に勝ち上がる準備は整ってきている。次の相手は、ここまで大量得点を奪っている青森山田(青森)。7月末に行われた和倉ユースでは敗れたものの、手の内はよく知っている。難敵であるのは間違いないが、次も力強く戦い、白星を引き寄せるつもりだ。

(文・写真=森田将義)

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)