旭川実がDF柏木楓雅の落ち着いたゴールで勝利を掴む!新田はMF福井のアクシデントに泣く

インターハイ1回戦 新田 vs 旭川実

 令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)が8月14日、福井県で開幕。15日の大会2日目1回戦、新田(愛媛)vs旭川実(北海道)の一戦がテクノポート福井総合公園芝生広場で行われ、旭川実が2-1で新田を下した。

 新田は4-4-2、旭川実業は3-5-2のフォーメーションで試合に臨む。すると開始早々に試合が動く。前半3分、コーナーキックを獲得した旭川実は、10番MF居林聖悟の正確なキックをニアサイドに入り込んだ身長185cmの2番FW門馬誇太郎がヘディングで流し込み先制ゴール。「練習している形。いつも自分が当てられなくて、迷惑をかけていた。この形で点をとったのが今日は初めて」と語ったが狙い通りの先制点だった。

 新田は序盤こそ押し込まれるが、9番MF福井優斗のロングスローを武器に徐々にペースを掴み始める。27分にはそのロングスローからゴール前で決定的チャンスを作るも、旭川実GK関蓮楠のビックセーブでゴールを許さない。

 しかし前半終了間際にアクシデントが起こる。ここまでロングスローとドリブルを武器に旭川実に脅威を与えていた新田9番MF福井優斗が、旭川実10番MF居林聖悟と衝突。目の上から流血し負傷退場してしまう。

 

 新田の清水祐貴監督は試合後に「福井を後半から前に上げて点を取りに行くプランだったが誤算だった」とコメント。新田としてはプランを立て直す形となったが、「相手を押し込んでサッカーを仕掛けるのが新田のスタイル」と清水監督が語る通り新田のスタイルを後半開始から展開する。

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インターハイ1回戦 新田 vs 旭川実

 すると42分、新田は6番DF大井来流のコーナーキックを8番FW永野流星がヘディングで決めて試合を振り出しに戻す。同点に追いつかれた旭川実は58分に仕掛ける。先制ゴールを決めた2番FW門馬誇太郎を交代し、3番DF柏木楓雅をFWとして投入。「監督からは、しっかりと前で収めて自分で行けるところは行けと指示を受けた」という柏木は66分、中央でボールを受けてゴールに向かってドリブル。「ボールを持った時に相手のDFが一歩下がって距離が取れた」と冷静に判断し、ペナルティーエリア外から左足でループシュートを放つと、ボールは新田1番GK田中藍人の頭上を越えてゴールに吸い込まれる。

 

 「前半ベンチで見ていてGKが前目にポジションしているのが頭に入っていた」という柏木の落ち着いたゴールで再びリードに成功。その後新田はメンバー交代をしながら同点を狙うも総体予選無失点の旭川実はしっかりと逃げ切りタイムアップ。2-1で新田を下した。

 

 惜しくも敗戦した新田の清水祐貴監督は「スタートが良くなかった。すごくもったいなかった。後半にやれた内容に早く持っていきたかった。自分たちのサッカーを全国の舞台でやるための準備ができなかった事、あとは取れるチャンスをしっかりと取れるようになる事。向こうはそこを決めてうちは外してしまった。そこはもう一回愛媛に帰ってしっかりと練習し選手権に臨みたいなと思っています」と選手権に向けて語った。

 

 苦しみながらも勝利した旭川実・富井徹雄監督は「初戦だなっていう形の試合でした。バランスを崩してしまった部分もありましたけど、やってほしい事は出来たかなと。途中で入った選手が大きな仕事をしてくれた。うちは全国的には凄い力があるかというとそういうチームでは無いので全員で何か統一してサッカーできるかを徹底できるかが大事かなと思います」とコメント。また先制ゴールを決めた2番FW門馬誇太郎は「初めての全国大会でみんな緊張していたが、試合前にみんなで苦しいゲームになると話はしていた。5月9日の北海道プリンスリーグで北海道大谷室蘭に2-5で負けた時以来の失点で、ずっと無失点ゲームが続いていたが、全国で追いつかれる展開にもしなったとしても、勝てるようになろうと話をしていました。明日にも繋がると思います。今まで先輩たちが目指していた全国ベスト4を旭川実は取れていないので、自分たちの代で全国ベスト4を掴みたい」と力強く語った。

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)