U-20日本代表候補、合宿を締め括る一戦は厳しい結果

U-20日本代表候補 vs 全日本大学選抜

 6月10日、U-20日本代表候補が千葉県内で全日本大学選抜と45分×3本でトレーニングマッチを行い、3-6で敗れた。

 2024年のパリ五輪開催時に最上級生を迎える世代にとって、7日から始まった合宿を締め括る一戦は厳しい結果となった。

 所属クラブで出場機会をあまり得られていないメンバーが中心となった今回の代表活動で、日本は序盤から相手に主導権を握られてしまう。

 藤田譲瑠チマ(徳島)、山本理仁(東京V)のダブルボランチを軸にボールを動かしていくが、前にパスが付けられない。中盤で相手に素早く寄せられてボールを失うと、2トップの熊澤和希(流通経済大)、小森飛絢(新潟医療福祉大)を起点にカウンターから危険な場面を作られてしまう。

 20分に右MF小田裕太郎(神戸)のクロスからこぼれ球を鮎川峻(広島)が押し込んで先制点を奪ったものの、日本は流れを掴めない。すると、直後の22分には光田脩人(早稲田大)のアシストから小森に同点ゴールを許した。

 以降も日本は選手間同士の距離感が遠く、パスワークのテンポが上がらない。それでも粘り強く戦い、FW櫻川ソロモン(千葉)の高さを生かしながら、ゴール前に迫っていく。29分には左サイドから山本がクロスを入れると、櫻川が決定的なヘディングシュートを放つなど、少しずつゴール前でプレーする時間が増えていった。

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U-20日本代表候補 vs 全日本大学選抜

 1-1で迎えた2本目も櫻川の高さを生かした攻撃でチャンスを作る。48分には松村優太(鹿島)の右クロスから櫻川が高打点のヘッドでゴールを狙うが、枠を捉えきれない。決定機をモノにできずにいると、55分に山内翔(筑波大)のスルーパスから光田に逆転ゴールを奪われた。

 飲水タイム明けの70分に4名の選手を入れ替えた日本は途中出場のMF松橋優安(東京V)を軸に攻撃を仕掛ける。すると、32分に松橋が同点ゴールを挙げ、試合を振り出しに戻す。41分にMF藤井海和(流通経済大)に勝ち越しゴールを奪われたものの、アディショナルタイムにMF成岡輝瑠(清水)のラストパスからFW藤尾翔太(C大阪)が同点弾を決め、3−3で2本目を終えた。

 「途中交代した選手も全員行くつもりで準備して」と影山雅永監督が声を掛けてスタートした3本目。システムも4-4-2から3-4-2-1に変更して臨んだが、いきなり水を差されてしまう。2分にゴール前でFW山田新(桐蔭横浜大)にボールを受けられると、右足でネットを揺らされてしまう。

 

 三度勝ち越された日本代表は積極的に仕掛けていくが、最後の局面で制度を欠く。逆に相手のカウンターから13分にFW森海都(筑波大)に5点目を奪われ、リードをさらに広げられた。反撃を試みた日本は35分に山本のパスを起点に中央を崩し、松橋がシュートを放つ。しかし、枠を捉えられない。攻勢を強めたものの、終了間際に山田にゴールを許し、3点差。3本目に点差を広げられた日本は3-6で敗れ、課題を残す結果となった。