市立船橋は押し気味に試合を進めるもFC東京U-18に追い付かれ1-1のドローに終わる

市立船橋 vs FC東京U-18(写真=森田将義)

 高円宮杯 JFA U−18サッカープレミアリーグ2021 EASTが2日と3日に行われた。延期となっていた第10節の市立船橋(千葉)とFC東京U-18(東京)による試合は、1-1の引き分けとなった。

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 前半13分、FC東京は中央をドリブルで運んだMF髙橋安里(3年)のパスから、MF宮下菖悟(3年)、DF大迫蒼人(3年)と繋いでシュートを放つなど序盤から、左サイドを中心に見せ場を作ったが、「来た時の雰囲気から負けそうだなと思っていた。グラウンドに入る時点でふわっとしていて、市船さんの準備に負けているなと思っていた。相手は僕らよりも謙虚にサッカーと向き合っていた」という中村忠監督の不安が的中。

 時間の経過と共に「トレーニングの中で前から行こう、縦に速いサッカーをしようと声を掛けていた。そこがこのチームが、一番力が発揮できる戦い方かもしれないと話していた」(波多秀吾監督)という市立船橋の守備に苦しみ始めた。

 アグレッシブに前から奪いに行く中で、目を惹いたのは攻撃センスが高いMF北川礁(2年)と「力の入れ所を知っている。要所を締めて、セカンドボールの回収ができる」(波多監督)MF太田隼剛(1年)のダブルボランチ。「練習から守から攻の切り替えを意識している。そこで奪いきれて、何度かチャンスが作れていた」と北川が話す通り、前線が制限をかけたボールを3列目で拾って、縦パスで攻撃のスイッチを入れていく。

 16分には、自陣からの長いパスで、FW郡司璃来(1年)が相手DFの背後をとってシュートに持ち込むも、懸命に戻ったDFがブロック。以降も統率のとれた守備からショートカウンターを繰り出していく。すると、43分には北川が繰り出した長いスルーパスから、郡司がPA左に侵入。前に出たGKと1対1になったが、「思った以上にトラップが大きくなった。GKが前に出てきたのが見えたので、足を伸ばした」ボールが、ゴールネットに突き刺さり、市立船橋が先制した。

先制ゴールを決めた市立船橋FW郡司璃来(写真=森田将義)

 後半に入ってからも、市立船橋のペースは落ちない。「依然と比べてボールを運べるようになった。ロングボールだけでなく、縦パスを引き出して突破するシーンが少なからずあったので、手応えを感じている」と話すのは、DF小笠原広将(3年)だ。後半4分には、右からのパスを受けたMF平良碧規(3年)が振り向きざまにシュート。16分にはロングボールを中央左寄りでおさめた郡司が右へと展開。走り込んだ平良がゴールを狙った。30分にも、DF針谷奎人(3年)のロングフィードから、郡司がDFの背後へと飛び出したが、相手のファールに止められ、追加点は奪えない。

 我慢の時間が続いたFC東京にチャンスが生まれたのは、35分。右サイド低い位置から、DF中野創介(3年)がゴール前にクロスを入れると、反応したのは後半からピッチに立ったFW野澤零温(3年)。「創介から上がってくるタイミングでフリーだったので、感覚的に寄せてくることはないなと思った。コースは甘かったけど、強く叩けば入るかなと思っていた」と冷静に放ったシュートが決まり、同点に追いつくとそのままタイムアップを迎えた。

(文・写真=森田将義)

▽高円宮杯 JFA U−18サッカープレミアリーグ2021 EAST
高円宮杯 JFA U−18サッカープレミアリーグ2021 EAST