FW宮路峻輔がダメ押し弾!履正社が2-0で初芝橋本を下す

2点目を決めた11番宮路峻輔(写真=前田カオリ)

 これまでの5試合は、順延になることなく行えてきた初芝橋本。僅差の惜敗が続いていたものの、前節は2ゴール奪いながらも終盤に失点し、引き分け。「ここでもう一歩ステップアップしたい」(阪中義博監督)と、今節を迎えた。対する履正社は、ここまで4試合を終えて2勝2分。「勝点を取りこぼした試合があったので、上位に行くためにはここで勝点3をしっかり手中に収めたい」(平野直樹監督)と、試合に臨んだ。

 あいにくの雨天、さらには時折やや強い風が吹く紀三井寺球技場で行われた試合は、風上に立った履正社がサイドから仕掛けて主導権を握る。序盤からFKやCKのチャンスを掴んだ履正社は7分、那須大雅の右CKに大津明日光が頭を合わせ、先制。その後も再三アタッキングサードまで持ち込み、廣野大河や宮路峻輔が相手選手を巧みにかわしてゴールに迫るものの、追加点が奪えない。一方の初芝橋本は、強い向かい風の中、奪取したボールから荻野悟が2本シュートを撃ち、42分にはCKからGKに弾き返されたボールを坂口歩夢が再び中に入れ、岡本卓弥が頭を合わせる決定的なシーンがあったものの、わずかに枠外。履正社が1点をリードしたまま、折り返した。

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 後半に入ると履正社は、前半の「手間がかかりすぎた」(平野監督)ことを修正し、スピーディーに展開。しかしながら、「今度は少し急ぎすぎた感じがした。もっと落ち着いて持ち込めばいいのに、と思うようなシーンが散見された」と平野監督が振り返った通り、主導権を変わらず握ってはいるものの、なかなか追加点に繋げることができない。追い風となった初芝橋本はボールを保持する機会も多くなり、前線の選手を交代させるなどして活性化を図るものの、得点を返すことができない。一進一退のまま後半を終えるかと思われた90+2分、履正社の宮路がこぼれ球を落ち着いてゴールに収め、追加点。そのまま試合は終了し、2-0で履正社が勝点3を積み上げた。

あいにくの雨天の中の一戦(写真=前田カオリ)

 この日2点目を挙げた宮路に対し、平野監督は「どちらかと言えばエレガントなタイプのプレイヤーだったが、最近は逃げることなく体を張ってプレーし、ポストプレーも自信を持ってできるようになってきた」と、この日の活躍を含めて成長を高く評価。「1対1にも強く、右足も左足もシュートの上手い選手なので、中盤での泥臭いことやポストプレーでも力を惜しまずにやっていって仲間を生かすことで、ゴール前のフィニッシャーとしてさらに仲間に生かしてもらう選手になっていってほしい」と、今度のさらなる躍進に期待を寄せた。

 一方、初芝橋本の阪中監督は、相手に攻め入られるシーンで懸命にボールに喰らい付いていった選手たちを「耐えるべき場面ではしっかりと耐えて、攻撃に転じやすいようなちょうどいい場所でボールを奪うことはできた」ことを評価しつつも、得点を挙げられなかったことを課題とし、「前に行ける場面もあったので、少し雑になってしまっている攻撃をゴールネットが揺らせるところまで修正していきたい」と話した。

 次のプリンスリーグ関西は、6月26日・27日に行われる予定。これまでのリーグ戦で得た課題と成長を携えて臨むインターハイ予選を終えたあと、次節を迎える。

(文・写真=前田カオリ)

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