大阪桐蔭が勝負強さをみせ、2-1で勝利!

大阪桐蔭 vs 京都橘

 4月17日、高円宮杯U-18プリンスリーグ関西の第3節、大阪桐蔭(大阪) vs 京都橘(京都)がJ-GREEN堺で行われた。

 雨の中行われた第3節、前半飲水タイムまでやや押し込んだのは大阪桐蔭。ボールサイドにコンパクトにプレスをかけ、ルーズボールを拾い続けた。攻撃では8番MF奥野龍登がボールをキープする場面が多く、スリッピーなピッチの中でも卓越したボールコントロールをみせる。

 前半はこのまま大阪桐蔭ペースかと思われたが、ビッグチャンスを迎えたのは京都橘。37分、左サイドからのクロスをファーサイドに入ってきた8番MF丸山大輝がボレーシュート。しかしこれは惜しくもポストに弾かれる。大阪桐蔭のコンパクトな守備に対し、ワイドが広くポジションをとる京都橘がサイドからのクロスでこの試合初めてのチャンスを作った。するとこれを機に少しずつ京都橘ペースに。前半は0-0のまま後半を迎える。

 後半に入ると本格的に京都橘ペースに。京都橘はU-18日本代表候補で、先日J1浦和レッズの練習生としてエリートリーグに出場を果たした7番FW木原励を投入。55分にはその木原がヘディングで落としたところを11番MF鎌田翔太がミドルシュート。しかしこれはキーパー正面。65分にはコーナーキックからニアで7番FW木原励がヘディングで合わせるも大阪桐蔭1番GK藪中優希がビッグセーブ。

 その後も京都橘は10番MF長谷川裟恭が前を向いて仕掛けるシーンが増え、更に京都橘へとペースが傾くかと思われた71分、ついに試合が動く。左サイドからのクロスをファーサイドでボレー、ネットを揺らしたのは大阪桐蔭10番FW大野陽平だった。ワンチャンスを物にした大野は78分にもおよそ40mのロングシュートでこの日2点目をマーク。決定力の高さを示し、2-0と突き放した。追いつきたい京都橘は7番FW木原励に向けてロングボールを送るが大阪桐蔭4番DF平田大翔が体を張ったディフェンスで仕事をさせない。それでも京都橘は93分、終了間際にフリーキックを獲得すると、キーパーがファンブルしたところを11番MF鎌田翔太がプッシュ。京都橘がラストワンプレーで1点を返し、2-1で試合は終了した。

 試合後勝利した大阪桐蔭・永野監督は「勝ち点3を取れたことは良かったが、チーム全体で守る、もしくは突破するということがまだまだできてない。個人の武器があるのはそれはそれでいいが、もっとチーム全体で多彩な攻撃ができるように練習していかないといけない」と試合を振り返った。

 対する京都橘・米澤監督は「押し込んだ時間帯もあったが、ワンチャンスを決めきるというのが大阪桐蔭さんの強さであるし、最後の勝負のところで差が出たと思う。そこの部分は今後の課題である」と語った。

 流れが良くない中でも勝負強さをみせた大阪桐蔭。プレスの早い大阪桐蔭に対し、押し込む時間帯が多かった京都橘。雨の中でも要所要所で上手さ、強さ、速さを交えた好ゲームだったが、課題がみえたと話した両監督。レベルが高い中でもまだまだ満足しないこの2チームは今後さらに進化を遂げるだろう。1試合1試合の成長を見逃せない。

(文・写真=髙森詠人)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関西
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