チーム一丸の守備で耐え抜き、CKのワンチャンスを活かした大阪桐蔭が東海大仰星に1-0で勝利!

ゴールを決めた大阪桐蔭MF奥野龍登

 高円宮杯 JFA U−18サッカープリンスリーグ2021関西の第2節が4月11日にJ-GREEN堺で行われ、大阪桐蔭(大阪)と東海大仰星(大阪)の試合は大阪桐蔭が1-0で勝利した。

 開幕2連勝を目指す東海大仰星が、この試合が初戦となる大阪桐蔭を押し込む展開。10分、東海大仰星に決定機。右CKをニアで逸らしてファーサイドでフリーの18番MF高橋哲也がヘディングで合わせるもこれは惜しくも枠の外。その後も東海大仰星が押し気味に試合を続け、右サイドを中心に攻略。そこで得たFK、CKとロングスローからゴール前にボールを入れ続けるも、大阪桐蔭の集中した守備を崩すことが出来ず。両チームスコアレスのまま前半を終える。

 後半に入っても流れは変わらず、東海大仰星が一方的に攻める。しかし大阪桐蔭がここを、昨年からレギュラーのキャプテン3番CB小林柾輝を中心に我慢強く耐えて無失点で凌ぐと、見事にワンチャンスをものにする。67分、10番FW大野陽平が個人技で敵陣深くまでボールを運び右CKを獲得。このCKのこぼれ球をPA内で拾った8番MF奥野龍登が右足を振り抜くと、これがゴール左に突き刺さる。大阪桐蔭は先制点が特効薬になったのか、パスが繋がるようになりリズムを掴み始める。しかし試合が終盤になると流れは再び東海大仰星へ。東海大仰星が同点ゴールを狙い攻め続けるも、チーム一丸の守備で大阪桐蔭が最後まで守り抜き試合は終了。大阪桐蔭が1-0で勝利した。次節、白星発進となった大阪桐蔭は暫定首位の京都橘(京都)と、1勝1敗となった東海大仰星は三田学園(兵庫)とそれぞれ対戦する。

 決勝ゴールを挙げた大阪桐蔭MF奥野は「監督とコーチからシュートを打てと言われていたんで思い切り打ちました」とゴールシーンを振り返った。2年生時から試合に出場している奥野。得意なドリブルを磨きながらも「日本一になる」目標の為、苦手な守備も「みんなが(ダメなところも)言ってくれる」と日々の練習で改善させている。この試合でもボールを失った後の切り替えの速さが目を引いた。「自分も含めヤンチャなキャラが多い」という今年のチーム。それでもチーム一丸で守る守備の意識の高さは今年も健在。前日、卒業した先輩のMF西山から電話で「2年連続で背番号8番が開幕戦でゴールを決めてるからお前も決めろよ」とプレッシャーを掛けられたという奥野も見事に初戦でゴールを決めた。大阪桐蔭のチーム一丸の守備と背番号8番をしっかり受け継いだ奥野がプレッシャーを跳ね除け決めた見事なゴールだった。

 大阪桐蔭・永野悦次郎監督は「仰星さんの非常に圧力のあるサッカーに対してしっかり守備から入ろうと言っていました。最後まで集中を切らさずに連携した守備が出来たかなと思います。攻撃に関しては、奪ってから素早く繋ぐサッカーをやろうというところだったんですがそこが全く出来ず、結局CKからの得点だったので流れの中から取れればよかったんですけどね。(開幕戦順延の為)興國さんと先週出来なくて、この試合が初戦ということもあったので、二戦目三戦目でその辺を改善できればと思います」と試合を振り返り、今年のプリンスリーグ関西の目標に関しては「もちろんプレミアリーグ参入プレーオフ圏内の2位以内を目指しています」と力強く話した。

 東海大仰星・中務雅之監督は「前半押し込んでる時間が多い中で一つ二つ決められればゲームの進め方が違ったかなと思います。ある意味想定内の失点で日頃のトレーニングで言い続けてることがまだまだできていないところが多いです。これから試合の中で実体験しながらそろそろわかっていかないと厳しい一年になってしまうかなと思います。(押し込んでいたがゴールが遠かったのは)桐蔭さんも初戦で硬かったかと思うんですが、まだまだ客観的に状況を見るということが出来ていないので、自分たちでどこまで気付けるかだと思います」と試合を振り返り改善点を挙げた。

(文・写真=会田健司)

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