昨年度選手権代表校同士の開幕戦は両チーム譲らず1-1のドロー!

履正社 vs 京都橘

 高円宮杯 JFA U−18サッカープリンスリーグ2021関西の第1節が4月4日にJグリーン堺で行われ、昨年度の選手権代表校同士の対戦となった履正社(大阪)と京都橘(京都)の試合は、両チーム譲らず1-1の引き分けとなった。

 新チームとしての公式戦初戦ということもあり、両チーム硬い動きがみられたが、試合はいきなり動く。8分、履正社は16番SB西坂斗和がドリブルでPA内に侵入したところを倒されてPKを獲得。これを10番MF那須大雅が落ち着いて決めてゴール。幸先よく履正社が先制する。その後は両チーム攻撃の形が定まらず、ゴール前のシーンが少ないまま推移し1-0のまま後半へ。

 後半に入ると徐々に履正社が主導権を握り始める。9番FW廣野大河が前線で度々起点を作りチャンスを作っていくと54分、その廣野が左サイドを縦にドリブルで運び、中央にボールを入れた流れから、最後は那須が左足でシュート。GKがギリギリ弾いたボールはバーに当たり惜しくもゴールならず。その後も押し込む履正社は56分、右サイドからのクロスボールにファーサイドでフリーになった14番MF名願斗哉がヘディングで合わせるも、シュートは枠の外へ。履正社は連続して決定機を逃してしまう。時間が経過するにつれ、両チームとも気持ちのこもった激しいプレーが多くなり、勝負にこだわる姿勢を見せる。するとピンチを切り抜けた京都橘が遂に同点に追い付く。86分、京都橘はシュートのこぼれ球を拾った14番MF橋本晃太が、PA内を深くまでえぐって中にクロスボールを入れると、これが相手DFの腕に当たりPKを獲得。PKを10番MF長谷川裟恭が決めてゲームは振出しに戻る。その後、勝ち越しゴールを狙った両チームだったが、スコアは動かずそのまま試合は1-1で終了した。初戦を引き分けで終えた両チーム。次節、履正社は4月11日阪南大高と、京都橘は初芝橋本とそれぞれ対戦する。

 京都橘・米澤一成監督は「うちにしてはよくやれたかなと思います。メンバーもチームもまだまだ熟成していないので、今のチーム状況だと勝ち点3を取れる力はないので、勝ち点1がとれたのはベストな結果だと思います。」と試合を振り返った。新チーム関しては「去年のような個性が強いチームではなくて、プレースタイルが似ている選手が多いので、個性が強くない分、層は厚いかなと思います。その辺をみんなが理解してやれるかというところかなと思います。」と話し、プリンスリーグに関しては「相手どうのこうのではなくて、一戦一戦どうなるかわからないので、スカウティングとかはしないで、自分たちの事をやっていこうと思います。まだそういう時期ですね。もちろんプレミアリーグ昇格を目指さないといけないのですが、まだ春休みで自分たちの立ち位置がわかってきたところなので、もう少しやらないとそこの設定ができないかなと思います。」と話した。

 対する履正社・平野直樹監督は「開幕でゲーム慣れもしていないので、大雑把なゲーム展開になるかなと予想していたらその通りになった。上手くPKで先制したまでは良かったけど、その後は繋げばいいところを怯えてしまって、雑になってしまった。後半チャンスがあった中で決めるかどうかで、勝てるチームか勝てないチームかが分かれますね。『惜しかったね。』で終わってしまってはいけないね。」と試合を振り返った。プリンスリーグに関しては「長丁場のリーグなので、優勝するなら勝ち点40目指していきたい。今日その1/40はとれた。欲を言えば3をとりたかったんですが。次週の相手は阪南大高と序盤に強くて厳しい相手が続くので、チームが固まってないうちになんとか勝ち点を積み上げていきたいですね。最低2位以内には入りたいですね。」と話した。

 昨年、Jリーガーが誕生するなど強烈な個性が多かった両チーム。新チームになって初の公式戦ということもあり、チームとしての成熟度はまだまだこれから。プリンスリーグでチーム力を上げていくと同時に、一戦一戦勝ち点を積み上げていく事になる。プレミアリーグ昇格プレーオフの2枠を争う戦いは始まったばかり。両チームがどのように成熟していくかに注目だ。

(文・写真=会田健司)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関西
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関西