初のプレミアリーグ昇格を目指す昌平が最高のスタート

昌平イレブン

 4月10日、プリンスリーグ関東の第2節が行なわれ、昌平は埼玉県の昌平高グラウンドで東京ヴェルディユースと対戦し、2-0で勝利を収めて今季初勝利を手にした。

 先週末の三菱養和ユースとの開幕戦が延期となった昌平にとって、この東京V戦が今季のオープニングマッチ。4-2-3-1の布陣で挑んだ昌平はSB本間温士(3年)と新10番のMF荒井悠汰(2年)がコンディション不良でベンチスタートとなった一方で、昨季からレギュラーを務める井野文太、平原隆暉(いずれも3年)がダブルボランチで先発に名を連ねた。また、下部組織のFC LAVIDAで昨季のU-15高円宮杯でベスト8入りに貢献した小田晄平、石川穂高(いずれも1年)もスタメン入り。昨季までの主力と新戦力が融合する形で開幕戦に挑んだ。

 初陣を飾るべくアグレッシブに攻撃を仕掛けていったが、立ち上がりは東京Vのパスワークに手を焼く。ボールを奪いに行くが、中盤で取り切れず、サイドを抉られる場面も少なくなかった。

 しかし、前半中盤の給水タイムを境に潮目が変わる。「前半は右サイドの篠田翼が良かったけど、左サイドがうまくいっていなかった。そこでうまく整理し、相手をうまく誘い出せるようになった」(藤島崇之監督)。中盤の底で平原と井野が幅広いエリアに顔を出してボールを回収すると、左サイドの大山済(3年)や右サイドの篠田翼が良い形で仕掛ける機会を増やす。すると、37分。左SBの篠田大輝(3年)がゴール前にクロスを入れると、篠田翼が合わせて鮮やかな崩しから先制点をもぎ取った。

昌平 vs 東京ヴェルディユース

 1-0で迎えた後半も出足の鋭さを見せ、高い位置から相手にプレッシャーをかけていく。しかし、時間の経過とともに運動量が低下。相手に主導権を握られる場面が増え、守備に回る時間が多くなった。それでもGK西村遥己(3年)やCB津久井圭祐(2年)を軸に身体を張った守りで凌ぎ、相手に得点を与えない。すると、終了間際にFW井出蓮(3年)が加点。このまま逃げ切った昌平が初陣を制し、最高のスタートを切った。

 来季からU-18高円宮杯プレミアリーグに参加するチームが4クラブ増えるため、今季は例年以上にプリンスリーグが重要な意味を持つ。試合後、藤島監督は選手たちの奮闘に目を細めた一方で、課題を口にしたのもそのためだ。「良い守備から得点を取れたことは良かったけど、チャンスは他にもあったので生かさないといけない。守備もエネルギー切れになった時に相手の上手さを引き出してしまい、後半は上手くいかなかった。そこはまだ課題」とは指揮官の言葉。初のプレミアリーグ昇格を目指す昌平が開幕戦の結果を受け、次節以降どのような戦いを見せるのか注目だ。

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関東
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関東