3位決定戦の立正大淞南と米子北の一戦は、両者譲らず1-1の引き分け

立正大淞南 vs 米子北(写真=森田将義)

 第13回中国高校サッカー新人大会の最終日が15日に行われた。3位決定戦の立正大淞南米子北の一戦は、両者譲らず1-1の引き分けとなった。

 3位決定戦では出場機会が少ない選手を起用することが多いが、隣県に位置するライバル同士の一戦とあり、この一戦にかける意気込みは強い。現状のベストメンバー同士で挑んだ両チームは、互いの手の内はよく分かっているため、試合序盤からバチバチとしのぎを削る展開となった。

 先に見せ場を作ったのは米子北だ。前半7分には、FW福田秀人(1年)のポストプレーからMF山中奨(2年)が左サイドへと展開。素早くゴール前に入れたクロスを反対サイドのMF木村愛斗(2年)が頭で合わせたが、GK長野大河(2年)に阻まれた。13分にはセカンドボールを拾った山中が縦パスを入れると、受けた福田が右前方にパス。右を上がったDF原佳太朗(2年)がゴールを狙ったが、再び長野に阻まれた。押し気味で試合を進めた米子北は14分に福田がPA内で倒され、PKを獲得。このチャンスをMF佐野航大(2年)が冷静に決めて、試合を動かした。

 先手を奪われた立正大淞南は攻撃のキーであるMF三原弘稀(2年)とMF井川真飛(2年)が持ち味を発揮できず、シュートまで持ち込めない。それでも前線で奮闘を続けたFW加藤緒(2年)と力強い突破を見せたMF久保達也(2年)が意地を見せて、高い位置でのセットプレーを引き寄せる。すると、16分には左CKから、DF加古圭佑(2年)がヘディング弾を決めて試合を振り出しに戻した。

立正大淞南 vs 米子北(写真=森田将義)

 後半に入ると、米子北はエースのMF佐野航大(2年)を前線に上げて攻撃モードに。パートナーを組む福田が力強いドリブルとスペースへのフリーランを繰り返し、立正大淞南を押し込んだ。後半19分には佐野のラストパスから、MF渡部颯斗(2年)がシュートを放つなど再三の決定機を迎えたが、「後半はめちゃくちゃ押し込まれて、焦った時間帯もあったけど、先生から言われている立ち位置やフォームを思い出して止めていた」と振り返る長野の牙城を崩せない。DF岩本剛気(2年)と伊藤陽翔(2年)のCBコンビも集中力を切らさず、身体を張った守備を続けて失点を回避し、1-1の引き分けとなった。

 同じ結果で終わったが、双方の指揮官の反応は分かれた。県の新人大会で準優勝に終わり、南健司監督が苦しい年と評していた淞南にとっては価値ある大会に。「4試合やりたいと思っていた。今年は頑張りが欠ける年代だったので、内容云々よりも最後まで頑張れたのが大きかった。今日の試合も、いつもならやられていた展開だったけど、最後まで集中していた」。

 米子北としては、PK負けとなった前日の準決勝に続き、ギリギリの試合で勝利を引き寄せられなかったのは悔しさが残る。「色々と勉強になった。ここで頑張れない選手や走れない選手ではいけない。頑張れる選手とそうじゃない選手がよく分かった」と話すのは中村真吾監督。競争の意味合いが強かったこれまでとは違い、今大会で選考が進み、これからシーズンインに向けてチーム作りを本格化させていく。

(文・写真=森田将義)

▽第13回中国高等学校サッカー新人大会
第13回中国高等学校サッカー新人大会