PK戦までもつれた一戦を瀬戸内が制し初V王手

瀬戸内 vs 米子北(写真=森田将義)

 第13回中国高校サッカー新人大会の2日目が14日に行われ、準決勝では瀬戸内米子北が対戦した。PK戦までもつれた一戦は、8人がキックを成功させた瀬戸内が1-1(PK8-7)で勝利し、決勝進出を決めた。15日には初優勝をかけて、高川学園と対戦する。

 序盤の主導権を握ったのは瀬戸内だった。自陣でのボール回しから、「相手のボランチが思っていたよりも高かったので、相手の背中をとるよう指示した」(田中健二郎監督)とギャップで上手く顔を出したMF長谷川大貴(2年)とMF江川楓(1年)へと展開。二人の持ち運びから、「前の3人は速さと強さがある」と指揮官が胸を張るFW風呂迫恵人(3年)を中心とした3トップへと展開し、相手ゴールに迫った。前半19分には、江川のスルーパスに長谷川が反応したが、前に出たGKがブロック。27分には風呂迫が競り合ったルーズボールのこぼれをFW佐野竜眞(3年)が拾い、リターンから風呂迫がゴールを狙ったが、DFに阻まれた。以降も、2列目からのスルーパスを起点に見せ場を作ったが、米子北の牙城を崩せず前半を終えた。

 後半は両チーム共、午前中に準々決勝を戦った影響が見え始めた。「米子北さんも体力的なダメージがある中で、うちも頭が全く動かなくなった。周りが見えなくなってしまった」と振り返るのは田中健二郎監督だ。ペースを握った前半から一転し、ハーフタイムに3選手を投入したことで、勢いをつけた米子北のパワフルな攻撃に飲み込まれた。後半4分には、右サイドを上がったDF原佳太朗(2年)がゴール前に低いクロス。中央で反応したMF橋本淳史(3年)はシュートを打てずに終わったが、こぼれ球をFW福田秀人(1年)が拾い、最後はMF渡部颯斗(2年)が押し込んだ。このゴールで勢いに乗った米子北は、続く6分にも好機を演出。ハーフウェーライン付近でボールを受けたFW佐野航大(2年)が力強いドリブルで3人をかわして、シュートまで持ち込んだがGKに阻まれた。このチャンスで得たCKから、佐野がヘディング弾を放ったが、枠を捕えることができない。

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▽第13回中国高等学校サッカー新人大会
第13回中国高等学校サッカー新人大会