前半途中、早い時間帯でFWの選手交代を行うなど積極的に攻撃面での状況打開を図った都立日本橋であったが決定的な場面を作り出すまでには至らず。しかし苦戦するなかでも、途中出場の杉山崚が左サイドに開くことでチャンスメークするなど後半に向けて好材料も得てハーフタイムを迎えた。

 後半、先にスコアを動かしたのは、前半の選手交代を機にきっかけを掴みかけていた都立日本橋。49分、右サイド白石のクロスから長谷川が押し込んでゴール。DF、GKと縺れ込みながらも粘ってネットを揺らし1点を返した。

 しかし、都立蔵前工も譲らない。53分、左サイドから新井田がゴール前にラストパスを送ると、佐藤がこれをゴール右へと流し込み再び差を広げる。さらに続く55分にもスルーパスからゴール前抜け出した君和田が落ち着いて決めて5点目。しかし、立て続けのゴールでリードを4点に広げ余裕の展開と思いきや、一方で疲労による選手の負傷も重なり、まさに満身創痍の戦いで終盤戦の戦いに臨むこととなった。

 追い上げムードが一転、再び厳しい局面を迎えた都立日本橋であったが、決して最後まで諦めることはなかった。運動量が落ちた相手に杉山、長谷川、水口の攻撃陣を中心にゴールを狙っていくと66分、自陣からのFKを前線に送り込むと、このロングボールにいち早く反応した杉山が難しい体勢からシュート。GKが弾いたところを水口が決めて3点差。さらに試合終了間際の70分には、ゴール前FKのチャンスを得ると再び水口が強烈なシュートを突き刺して2点差に詰め寄る。

 最後まで見応えある都立日本橋の反撃が続いたが、必死の追い上げもここまで。わずかに及ばず試合終了を告げるホイッスル。5対3、苦しみながらも逃げ切った都立蔵前工が1回戦突破を果たす結果となった。