FW西野太陽の2発などで京都橘が6発大勝発進!

京都橘イレブン(写真提供=オフィシャルサポート)

 第99回全国高校サッカー選手権大会の1回戦がNACK5スタジアムで行われ、京都橘松本国際を6‐0で下して初戦突破を決めた。

 先制点は前半10分。右CKからMF中川樹(3年)が蹴った鋭いキックをDF金沢一矢(3年)がヘッドであわせてネットを揺らす。その後も京都橘は攻撃陣のタレントを生かして試合を優勢に進め、35分には左サイドでボールを奪った流れから、中川がゴール前へ入れたクロスをFW木原励(2年)が頭で合わせて追加点。後半14分にはカウンターからFW西野太陽(3年・徳島内定)が抜け出してGKとの1対1を豪快なシュートで制すると、その4分後にも西野は相手のミスを逃さずにゴールを決めた。

 後半の飲水タイムの後の27分にはロングスローから西野が放ったシュートのこぼれ球をDF小山凌が角度のないところから押し込み、29分には再びロングスローからDF山内琳太郎(3年)がそらしたボールを木原が押し込んでゴールラッシュを締めくくった。

 京都府大会で4試合32得点をたたき出した自慢の攻撃力が、全国でも爆発した京都橘。守っても「松本国際も早い選手や強い選手がいて、ポテンシャルが高かった。ロングボールに当たりに行く、カバーに入る、といった当たり前のことを当たり前にやることを心掛けました」とキャプテンのMF中野晃弥(3年)を始めとする3年生たちが要所を抑えて、完封勝利を飾った。

 試合後、京都橘の米澤一成監督は「ずっと初戦で勝てていなかったので、アレルギーにならないように、選手も私も準備をしてきました」と胸の内を明かした。近年、京都府代表校は5年連続で初戦敗退中で、うち4回が京都橘だった。初戦で市立船橋と大会屈指の激闘を繰り広げるなどクジ運に恵まれなかった年もあったとはいえ、事実は重くのしかかる。中野は「京都を代表している自覚を一人一人が持つことが大事でした」と話しており、指揮官も「これまでいろんなことを考えてきて、勝てなかった。今年は初出場のつもりで、1戦目に賭けることを目標にしてきました。試合の入り方を積極的に前へ向かっていこう、と選手を送り出しました」(米澤監督)と初戦への挑み方を説明する。その上で「先制点が非常に大きかった」と金沢のゴールを評価した。金沢はCKから空中戦の強さを発揮してネットを揺らし、後半には鋭いロングスローから2ゴールをおぜん立て。守備でも完封勝利に貢献するなど、存在感を発揮した。昨年の選手権のピッチにも立っており、ポテンシャルの高さは皆の知るところ。そこに最終学年となった今年は「精神的に幼かったところが変わってきた。自覚が生まれてきた」(米澤監督)という変化も見られている。

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▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権