久々の活動で溌剌とした動きを見せた選手たち。新型コロナウイルス感染拡大の影響で所属クラブの活動が止まり、現在も対外試合などができていない者も少なくない。紅白戦で2得点を奪った前澤も20分ハーフのゲームを少しこなしておらず、試合勘や体力面の強化は課題として残った。その一方でチームとして再スタートを切れた点はポジティブな要素だろう。

 合宿最終日となった26日の練習後、森山監督は選手たちのプレーに充実した表情を見せた。

「予定していた練習試合ができず、その影響で今回の合宿では普段やっているDFライン(の調整)やセットプレーの整理を端折って、ベースを作る作業を中心に取り組みました。なので、紅白戦を実施した時にあまりにもクロスやセットプレーの対応が緩くなりました。得点が多く入り、見応えがあるゲームだったとはいえ、あまりにも簡単にやられてしまう場面もあって課題も多かったと感じています。ただ、FC東京の選手2名が怪我で脱落してしまいましたけど、何よりもみんな元気に集まって、最後まで無事に活動を終えられました。選手にとっては刺激になったと思います。新しい選手もアピールしてくれたので成果もあり、課題がはっきりした点も成果と考えています」

 実戦から離れており、課題が顔覗かせるのは仕方ない。その中でチームが再び活動できたことが何よりの収穫だ。本番までにどこまでチームを作り込めるか。選手たちは再び代表に選ばれるべく、所属クラブでさらなる成長を期す。

(文・写真=松尾祐希)