サガン鳥栖U-18、3度目の挑戦でプレミアリーグ昇格の権利を手に

サガン鳥栖U-18vsベガルタ仙台ユース(写真=松尾祐希)

 3度目の正直だった。

 2年連続でU-18高円宮杯プレミアリーグプレーオフを突破できていないサガン鳥栖U-18。強い決意を持って挑んだベガルタ仙台ユースとの2回戦だったが、序盤から苦戦を強いられる。守備に比重を置く相手に対し、思うように攻撃を組み立てられない。1トップの田中禅にボールが入らず、得意のサイドアタックも鳴りを潜めた。0−0で迎えた後半も縦パスが入らず、もどかしい展開が続く。すると、一瞬の隙を突かれ、53分にセカンドボールを拾った仙台の工藤真人にゴールを許した。

 攻めるしかなくなった鳥栖はロングボールを多用しながら、強引に相手の守備ブロックを崩しにいく。しかし、競り勝てず、なかなかマイボールにできない。時間だけが過ぎ、残りはアディショナルタイム。誰もが敗戦を覚悟した。そんな絶体絶命の状況から松岡大起がチームを救う。

 GK板橋洋青が自陣からロングボールを入れると、こぼれ球を拾って左サイドに展開すると、途中出場の秀島悠太がゴール前にクロス。ファーサイドで永田倖大が頭で折り返すと、松岡が飛び込んで起死回生の同点弾を決めた。

 土壇場で試合を振り出しに戻した鳥栖は勢いそのままに、延長戦も猛然と攻め立てる。そして、93分だ。秀島が左サイドから持ち込み、右足でゴールを狙う。これが見事に決まって逆転弾。最後までリードを守り抜いた鳥栖が3度目の挑戦でプレミアリーグ昇格の権利を手に入れた。

 過去2度は1回戦で敗退していた鳥栖。最高の結果に田中智宗監督の目からは涙も見えた。

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