京都共栄MFガブリエル・エンリケ (写真=雨堤俊祐)

敗れた京都共栄は、いつもの4バックではなく3バックに変えて決勝に挑んだ。内藤翔平監督は「クロスやセットプレーでやられないことが(この試合の)ベースかなと思った。(京都橘の)3トップに(京都共栄は)3バックを当てるのでリスクもあったけれど、相手のサイド攻撃を止めたかった」と守備面の狙いを説明する。サイドに展開された際、ウイングバックが素早くアプローチに出て、中央も残りの4人で分厚く守ろうとした。 最終ラインを統率したDF上田裕大は「(個の)力は相手が上。1対1で勝てなくても、組織として最後のところでゴールさせないように試合に入りました」と守備のポイントを説明したが「先制点の時間帯は怖がって全体が下がってしまい、プレスに行けずに相手にボールを持たれてしまった」と悔しさをにじませている。

攻撃面では中盤を3枚とすることで、キーマンであるMFガブリエル・エンリケが攻撃に出やすいようにするという意図も組み込まれていた。後半にはカウンターから推進力を発揮してゴールに向かったが、70分を通じて放ったシュート数は3本のみ。指揮官は「得点が少ないのがうちの課題。去年と比べて小回りの効く選手たちなので、そこで何かできるんじゃないか。インターハイまでに改善したい」(内藤監督)と攻撃面の向上に取り組む構えだ。上田も「この時期に、このスタジアムで京都橘とやれてよかった。今日の経験を、今後に生かしていきたい」と成長を誓っている。

(文・写真=雨堤俊祐)

▽令和元年度京都新人戦(新人選手権大会)
令和元年度京都新人戦(新人選手権大会)