細田学園が2年連続の16強。全国を知る指揮官のもとで着実な成長見せる西部の新勢力

 ゲームは早々に動いた。細田学園は前半8分、MF金子弘輝のロングボールをフィジカルの高いFW斎藤真が確実に落とし、MF板橋健太が右足をダイレクトに振り抜いてネットを揺らした。

その後も細田学園はショートパスを繋ぎながら優勢にゲームを展開。前半は8割強といった割合で縦縞のユニフォームがボールを握ったが、「相手もしっかりと我慢して対応してきた」(米野)ことや「最後の質」(板橋)の部分を欠き、追加点を奪うまでには至らなかった。

すると後半に入り浦和はギアアップ。前線からのプレッシャーの強度を一段階上げたことで試合の形成は一気に逆転する。GK佐藤優太の好守もアタックを後押しした。後半30分にはこの試合最大のチャンス。フリーキックのこぼれ球をMF稲垣勇太が収め、裏に抜け出したDF斎藤友仁がフリーで左足を振り抜いたがこれは枠を捉えることができず、思わず頭を抱えた。

後半は押し込まれる時間が増えた細田学園だが、ここをディフェンスラインを中心にしっかりと0で耐えると、35分についに追加点。相手のクリアボールを拾った板橋が中央に切れ込むと、ラストパスを受けたMF安藝貴典は「シュートには自信があった。もう打った瞬間に手ごたえがあったので入ったと思いました」と右足を一閃し、待ちに待った2点目で勝負を決めた。

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