「この庭では負けられない」。松本先生の想いが詰まったグラウンドで浦和南が初戦突破 

 野崎正治監督は「うちはこの戦いしかできない」と言って苦笑いを浮かべたが、立ち上がりから攻守で、らしさを発揮した浦和南が注目カードを制し、連覇に向けて1回戦を突破した。

先制点は得意とするセットプレーから。前半3分、敵陣右サイドからFW佐藤智隆がロングスローを放り込むと、混戦からボールをキープしたMF中道麗心がエリア深くまで運んでクロス。このボールを今大会は右サイドバックを務める近藤佳輔が押し込んで早々に試合を動かした。

守備では前線から連動してスライドを繰り返し相手にパスコースを与えず。奪ってはコーナーフラッグをめがけて蹴り込みながら圧をかけていく。前半37分には左サイドをドリブルで抜け出したMF猪俣友希のクロスに「得点は久しぶり。しっかり首を振らないように、あとは強く当てることを意識した」というMF山野井一馬がヘディングで左隅に流し込んでリードを広げた。

一方、狭山ヶ丘は1次予選の代表決定戦で2得点を挙げたMF吉野斐斗が左サイドから打開を図るも、なかなか2トップの貫井紀宏、松山ジョセフ丈にボールが入らず。後半は途中出場のFW川端海斗がチャンスメイクしながらゴールに迫ったが、ネットを揺らすには至らない。

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