京都橘、チームの歴史を塗り替えるまで残り1勝

 令和元年度高校サッカーインターハイ(総体)の3回戦が行われ、京都橘(京都)と名経大高蔵(愛知)が対戦。9番梅村脩斗のハットトリックによって京都橘が3-0で勝利した。

一昨年のインターハイで記録したチーム最高成績であるベスト8超えを目指す京都橘だが、2回戦の専大北上(岩手)戦は戦う姿勢が見せられず、PK戦勝ち。主将の7番佐藤陽太は「昨日が悪すぎたので選手同士で改善点を話し合った」と振り返る。前日の反省を活かし、この日は佐藤と6番志知大輝のダブルボランチを中心に高い位置でのボール回しを徹底。相手エリアで今年の特徴であるコンビネーションでの崩しやスペースへの仕掛けを意識し、主導権を握って試合を進めた。

守備では名経大高蔵が見せる中盤の技巧派による狭いエリアでのドリブルとパスを立ち上がりから警戒。「京都にも個人技が特徴のチームがあるので、そこに勉強させてもらった」(米澤一成監督)とライバル校である久御山をイメージした高い位置からの守備を徹底し、見せ場を与えない。攻守両面で前日とは打って変わったパフォーマンスを見せると前半13分には佐藤の縦パスを受けた梅村がターンから前を向いてシュート。迷いなく放った一撃がゴールネットを揺らし、均衡を崩した。この一点で完全に流れを自らの物にした京都橘は19分にも決定機を演出。PA左外で与えたFKをクリアすると8番湊が俊足を活かしたドリブルで右サイドを独走する。CK付近に入ったタイミングでカットインし、DFを引き寄せて、ゴール前にパスを送ると中央の梅村がダイレクトで合わせて2点差で前半を終えた。

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▽令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)