前回準V・流通経済大柏が貫録の完勝

 第97回全国高校サッカー選手権準決勝2試合目、初出場で準決勝まで駒を進めた瀬戸内(広島)と前回大会準優勝の流通経済柏(千葉)の一戦は流通経済柏が貫禄をみせる試合となった。

 立ち上がり4分に流通経済柏10番熊澤和希(3年)が相手陣地中央右でカットインからDFラインを無力化する素晴らしいスルーパスを送る。ダイアゴナルランでPA内フリーでボールを受けた9番岡本竜がフワリと浮かせたシュートでネットを揺らし、あっという間の先制点を奪う。さらに、10分には4番西尾颯大が右サイドを深くえぐってマイナスに送ったボールを20番藤井海和が左足で合わせて追加点。2点のリードに成功する。

 瀬戸内は失点後も自分達のサッカースタイルを変えずに挑む。4-4-3でスタートするがビルドアップ時には3-5-2に変形し、両SBが高い位置をとり前線に人数をかける。しかし、ビルドアップ時に相手FWの脇のスペースを上手く活かせず、なかなか中盤以降で数的優位を作り出すことができない。流通経済柏はシンプルにロングボールを前線の選手に送り、起点を作って早い攻撃を仕掛けていく。終了間際にショートコーナーから鹿島内定の5番関川郁万がマーカーの上から頭で叩き込みリードを3点に広げ前半を折り返す。

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