京都共栄の内藤翔平監督(写真=会田健司)

 7月2日、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2023 関西2部は前半戦の最終節となる第9節が行われ中断期間に入った(第5節 大阪桐蔭vs金光大阪の1試合は9日に行われる)。

 昨年のプレーオフを勝ち抜きプリンス初昇格を果たした京都共栄は、第9節で大阪産大附を1-0で破り前半戦を6勝3敗で首位と勝ち点差1の3位(金光大阪の結果次第では4位)で終えた。試合後、前半戦を終えた内藤翔平監督にこの試合と前半戦を振り返ってもらった。

――プリンス初挑戦ですが、前半戦を振り返るとどうですか?

 

 僕はシンプルにめちゃくちゃ楽しいです。やっぱり対戦レベルが上がっているので楽しい。うちのスタッフがほとんどやっているんですが、毎週相手の分析をして準備してくれて、サッカーの会話のレベルも上がるじゃないですか?そういうのが楽しいです。今日も我慢のゲームでしたが、こういう我慢の試合が大事だと思うので。やっぱり我慢して耐えられないと勝てない。それを審判や暑さのせいにしたりしてしまうと、勝ちはこぼれていってしまうので、そういう意味では鍛えられていますので、なんとか上に食らいついてもう一個上のステージに行きたいとめちゃくちゃ思っています。

京都共栄の内藤翔平監督(写真=会田健司)

――昨年のプレーオフの際に、僕らも(スタッフ陣)も成長したいと仰っていましたが、そういう意味では手応えはどうですか?

 僕らも一緒に成長したいですし、僕らもサッカーが好きなので、そういう意味では分析する能力も上がっていると思います。それと1部と同じ会場の時も多いので、1部の試合を間近で観れるのも凄く刺激的です。

――京都以外の相手との対戦は刺激がありますか?

 練習試合ではなく、公式戦でこうやって色んな方に準備してもらった中でやるので、選手たちには凄く良い経験になっていると思います。やっぱり公式戦と練習試合は全然違いますし、90分の試合はサッカーの醍醐味で、その中でもドラマがあじゃないですか?そのドラマのレベルも上がると思うので、そういうのも感じてやって欲しいですね。

――昨年のチームも球際で頑張れるチームでしたが、今年もFW9森谷祐大(3年)君を中心に頑張れるチームですね!選手たちの成長はどうですか?

 森谷はケガで最初の頃は全然出れていなかったんです。森谷なしで勝ち点を積み上げられたのが良い経験になりましたし、言ったら2トップのもう一人のFW11小泉勘太(2年)も復帰したばかりで、この2トップがいない中でチャンスをもらった選手がこういう舞台を経験できたので、凄く経験値は上がりました。

 こうやってやられたとか、こうやって成功したとか、失敗体験と成功体験が染みついていくと凄い大きな成長になりますね。僕らは(京都)橘と東山を倒さないといけないので、そういう意味ではインターハイで失敗してしまった分、リーグ戦で準備して選手権でやり返したいと思っているので、そういう経験値を積んでいきたいと思っています。

――前半戦でチーム力の底上げが出来たのは大きいですね?

 正直2トップがいなかったのは苦しかったですが、その中で試行錯誤しながら、僕らもですが選手も苦しみながら勝ち点を取れたことは凄く良かったです。

――前節はインターハイ大阪予選を制した金光大阪に逆転勝ちでしたが?

 金光さんは正直めちゃくちゃ上手くて、2トップも良い選手で。先に2点を取られてしまったんですが、前半の終わりに1点を取り返して前半のラストプレーで追いついたんですが、それがノーゴールになってしまったんです。メンタル的にも難しかったんですが、よく耐えて88分と90+4分に点を決めたので、そういう意味ではサッカーのクオリティーじゃなくて、我慢して耐えて、継続して諦めなかった、そういうメンタル的なところは凄く評価できると思っています。

 僕らとしては、インターハイで負けてしまった中で、神戸弘陵と金光大阪とやれるこの2週間はめちゃくちゃ大事だと言っていました。兵庫と大阪のインターハイチャンピオンを相手に挽回できるチャンスで、弘陵さん相手には(1-2で敗戦)失敗してしまいましたが、インターハイの悔しさを金光さんにぶつけようという感じでやって、内容はまだまだですが、結果として残せたのは非常に大きかった。インターハイ(全国大会)前に大阪チャンピオンに勝てたってことは選手たちの成功体験としても大きかったと思います。

――今年は金沢ユースから和倉ユースにも昇格して強豪チームと対戦が出来ますが、この夏場も大事ですね?

 そうですね、今日で一回プリンスが一区切りになったので、次は和倉ユースに向けてのチャレンジですね。僕らももっと進化していかないと後期は絶対に勝てないので、新しい事や今までやってきた事を進化させるところを7月8月と和倉ユースでも試しながらやっていきたいので、めちゃくちゃ楽しみです。

 (和倉ユースは)先輩が残してくれたものなので、折角やるんだったら思いっきりやろうと。恥をかいても無様でもいいから力を出し切れないまま終わるのが一番よくないと思っているので、インターハイも力を出し切れなかったですし、今年のチームは力を出し切るところが課題なので、この年間を通して力を出し切れるチームにしていきたいと思っています。

 (文・写真=会田健司)