静岡学園でもドリブルで存在感を発揮する(写真=多田哲平)

 韓国大学選抜戦後も「あまりドリブルは取られなかったんですけど、それでも抜き切ることができなかった。自分でシュートを打って決めることもできなかったですし、良い精度のクロスも上げられなかった」と反省の言葉を口にしている。

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 また技術的な部分だけでなく精神面でも未熟さを痛感させられたという。

 「同年代ではU-19代表に上がっている選手もいるので、そう思えば、僕も高いレベルを目指してやっていかないといけないなと。代表というものに呼ばれたのは初めてだったので、初めは実感がなかったんですけど、合宿を通して実感できた。メンタルも鍛えていかないといけないなと」

 そんな寺裏は合宿中に冨樫監督から、大きなヒントをもらった。

 『ドリブルを仕掛ける時に、手前の相手だけじゃなくて、奥の2枚目、3枚目の相手を見ろ。そしたら手前の相手も勝手に抜ける』

 指揮官は「まだまだ1手目の関係しか作れていない。2手先、3手先を動かすための1手目じゃないと効果的じゃないよと、テラには話をしました。たとえば最終ラインのCBのビルドアップでも、相手のCBを動さないと意味がないと、僕らは育ちました。そういう先を見る意識をテラなんかも持てれば、1手目が効果的になるんじゃないかと」とその意図を話す。

 これを受けて寺裏は言う。

 「新しい発見でしたね。チームに持って帰って、意識して2枚目、3枚目を見てやっていきたいです」

 初の代表合宿で新たな刺激を得た寺裏は、ワンランク上のドリブラーへ、さらなる進化を遂げるだろう。

(文・写真=多田哲平)

▽2022年度 U-18日本代表 国際試合
2022年度 U-18日本代表 国際試合