日体大柏は県予選準優勝(写真=多田哲平)

 強豪並み居る千葉を勝ち抜くのは、やはり簡単ではない。

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 日体大柏令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選の決勝で市立船橋に2-3で敗れ、惜しくも準優勝。準決勝で市立船橋、決勝で流通経済大柏を下した2019年度大会以来の優勝を目指したが、2大会ぶり3回目の全国出場とはならなかった。

 今大会の決勝・市立船橋戦では、前半19分に先制点を与えながらも、その5分後の24分にCKからFW平野伶(3年)とFW古谷柊介(3年)らがなだれ込むようにして同点とすると、51分には再びCKからFWオウイエ・ウイリアム(3年)のヘディング弾で一時はリードを奪う。それでも54分に今度は相手のCKで追いつかれると、延長後半の92分にFKから勝ち越しゴールを許した。

 根引謙介監督は「しっかり戦えたところは良かった。ただ警戒していたところでやられてしまった。そこはまた修正してやっていければ。あとセットプレーで取れたのは良かったですけど、もっと流れのなかで崩していきたかったなというのはあります」と試合を振り返る。

 CKから2得点を挙げたものの、警戒していた背後への抜け出しとセットプレーで3失点。わずかな差で及ばなかった。

 それでも今大会見せた日体大柏の健闘は、今後の飛躍に期待を抱かせるには十分だった。近年メキメキ力をつけて頭角を現す、その確かな実力を証明したと言える。

 検見川との決勝トーナメント1回戦をDF古金谷悠太(3年)と古谷のゴールで突破し、千葉敬愛とのラウンド16は、延長戦の末にDF柴田光琉(3年)の劇的ゴールで勝ち越した。そして流通経済大柏との準決勝では攻撃陣が躍動し、古谷、FW吉田眞翔(3年)、オウイエ・ウイリアムの3得点で、昨年度王者の牙城を打ち崩してみせた。そして決勝では2強の一角と互角に渡り合った。

 県1部リーグ所属のチームとあって、とりわけ流通経済大柏、市立船橋というプレミアリーグEAST勢とがっぷり四つで組み合えた経験は大きい。指揮官は「普段同じ土俵で戦えないので、こういうトーナメントで戦って、肌感覚をすり合わせられたところでは、収穫はあったんじゃないかなと思います」という。

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▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選