見事にプリンス1部初昇格を果たした報徳学園のFW船越大空

 11月23日、プリンスリーグ関西 プレーオフ(参入戦)決定戦がJグリーン堺で行われ、報徳学園(兵庫2)と綾羽(滋賀1)の一戦は、前後半終わって2-2で譲らず、報徳学園がPK戦を5-3で制し、見事にプリンス1部初昇格を果たした。

 その報徳学園で背番号10を背負い、後半途中から出場を果たすとファーストプレーでFKからゴールを演出したFW船越大空。PK戦では最後のキッカーとしてきっちり成功させ、見事にプリンス1部初昇格を決めたそのFW船越に試合後話を聞いた。

 

ーー勝利の瞬間にうれし涙が見れましたが?

 選手権の時は、みんなが"まさか"と思ったんですが、初戦で負けてしまって、そこからみんなでここまで1カ月やってきて、正直気持ちの部分とかで上手くいかない事もあったんですけど、3年生はこのために"しっかり1.2年生に残そう"ということで、僕はスタメンを外れたんですけど、最後はPKも決めて最低限のキャプテンの仕事は出来たのかなと思います。

ーー出場してすぐにFKを直接狙ったあたりに"点を取るんだ!"って気持ちが見えましたが、どういう気持ちで試合に臨みましたか?

 最後なので"自分の力で勝たせたい"っていうのが凄いあったんですけど、それがいい方向で結果に出てくれたなと思います。

ーー選手権から気持ちの切り替えが難しかったと思うんですが、ブラジル体操を取り入れて声を思い切り出したとの事でしたが?

 自分も"やろう!"って言ってたんですけど、一人になったら選手権の事を思い出して、どうしても自然と涙が出て来てしまって、正直結構しんどかったです。

ーーみんなで支え合ってきたんですね?

 みんなといたら安心するというか、今日が最後なんで、そこで(プリンス昇格という結果を)残せれば選手権は無理だとしても、最低限そこは恩を返せたかなと思います。

ーープリンス1部ですから凄いことですよね?

 凄いですよね。実感が湧かないです(笑)。

ーーいい仕事が出来ましたね?

 来年は選手権をしっかりとってもらいたいです。

ーーこういう形で最後になって、3年間色んなことがあったと思うんですが振り返ってもらえますか?

 僕自身1年の時から試合に出してもらっていて、"今年こそは選手権で全国に行くぞ!"と思っていたんですけど、初戦で敗退してしまって。怪我も重なったり、正直上手くいかない事も沢山あったんですけど、3年間の締めくくりとしてしっかり良い終わり方が出来たんじゃないかなと思います。

ーー3年間で一番心に残っている出来事はありますか?

 やっぱり今日ですね。2日前のPK練習で外していて、正直ちょっと嫌なイメージもあったんですけど、チームの中で一番蹴っている数は多いと思うんで、自信を思い切りぶつけて、自信を持って蹴れたかなと思います。

ーー監督さんがPKで勝ったことがなかったと仰っていましたが?

 1年の時もnew balance CUPでここで(J-GREEN堺)PKで負けていて、1年の時の総体もPKで負けて、中学の時も僕らの代はPKで勝ったことがなくて。僕は中学校の時COSPA FCだったんですけど、"COSPAが蹴ると負ける!"とも言われていて悔しい思いもしていたので、今日はCOSPA(出身)が3人蹴って全員決めたので、それも本当に良かったです。

ーー進路は決まっていますか?

 海外に行ってサッカーを続けます。

(文・写真=会田健司)

▽高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2021プリンスリーグ関西 プレーオフ(参入戦)
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