近大附キャプテンDF畑中佑太

 選手権大阪予選準々決勝で惜しくも履正社に0-1で敗れた近大附。その近大附でキャプテンとしてチームを引っ張ってきたDF畑中佑太。畑中はDFながら背番号10番を背負い精度の高いキックで最後尾からボールを供給。セットプレーでもキッカーを務め、6回戦の関大一戦では延長戦で3アシストを記録するなど攻守に渡って活躍した。その畑中に準々決勝の試合後に話を聞いた。

ーー残念な結果となってしまいましたが試合を振り返ってもらえますか?

 プリンス上位の相手とやれるという事で、自分たちとしてはこの一週間本当に楽しみにしていた一戦でした。去年も同じ舞台で同じ相手に敗れているという事もあって、少しの緊張やプレッシャーを楽しみながらしっかり対策して試合に臨んだ試合でした。やっぱり履正社の勝負強さを目の前で見せられて悔しかったですが、"自分たちはしっかりここまで頑張ってきた"というのを胸を張って言えるので、こういう形で終われたことに悔いはありません。

ーー今日も良いボールを出してましたし、6回戦でも3アシストと活躍しましたが、選手権を振り返ってもらえますか?

 サッカーを始めてから憧れを持って続けてこられた舞台だったので、想いは強かったですし、1年生の頃から僕自身は試合に出させてもらって経験してきて、目の前で肌で感じた悔しさもありました。「この選手権はなんとしても山田先生を10年ぶりに全国に連れて行くぞ」とみんなで臨んだ選手権だったのでそれが出来ず残念ですが、この選手権はやっぱり楽しかったって想いが大きいです。

ーー履正社相手にこの内容はかなり手応えもあったんじゃないですか?

 そうですね。僕たちにチャンスもあったんですけど。ファーストチャンスの時に"行ける"という手応えもあったんですけど、僕たちはこの1年のキーワードとして"先制点"っていうのがあって、先制点を取れた試合は勝てるというデータもあったので、やっぱりそこで取り切れなかった事が自分たちに重くのしかかった部分になったと思います。

ーーインターハイから粘り強いチームでしたが、この粘り強さはどこから来ていたんでしょうか?

 新チームが始まった時からインターハイまではずっと無敗でリーグ戦も来ていて、大阪桐蔭や興國と練習試合をやった時も点を決められても粘り強くやれていたりもしていました。1年前の履正社に負けた試合で"勝者のメンタル"っていうキーワードが出てそれを新チームでも掲げていたのが、その粘り強さに繋がったのかなと思います。

ーーその粘り強さを身に付けるために練習では何か意識していましたか?

 例えばしんどいランニングのメニューでタイム設定があった時に、自分がそのタイムに入るだけじゃなくて、一本目から全力を出すっていう事をやっていました。常に全力で取り組むって事を意識的にやっていました。

ーー個人的なところではポジションはずっとCBですか?

 1年生の時は中盤で、2年生の選手権の時から3バックの真ん中をやって、そこからはずっとそこをやってきました。

ーー中学の時はどうでしたか?

 中学の時もCBをやったりもしていたんですけど、中盤やSBだったり色んなところをやっていました。

ーー高校に入って一番成長したところはどこですか?

 特に成長したのが3年生になってからで、1.2年生の時は先輩方を頼っている部分があって自分が代表してっていう意識が正直そこまでありませんでした。でも3年生になってキャプテンをやってからは、後ろにいっぱい人がいるという事でその責任感で一皮剥けたんじゃないかなと思います。

ーー部員数も多いのでキャプテンは大変でしたか?

 そうですね、学校生活の中でも126人いると上のチームと下のチームでは熱量が違ってくるので、特にコロナ禍ということもあって難しいところはありました。常に下のチームの子と喋る機会を作るように心掛けていたんですが、その熱量を感じるところがあって、そういうところは少し難しかったですね。

ーー3年間一緒にやってきた3年生に対してはどうですか?

 今年の3年生は入部してから一人も辞めていなくて、自分自身も頑張ってこられたと思うんですけど、周りの子達も自分を信じてくれて頼ってくれたからこそみんなで続けてこられたと思います。自分も助けられたし助けることが出来たと思うので、本当にかけがえのない37人の3年生でした。

ーー残りのリーグ戦に向けて意気込みを教えてください。

 インターハイも選手権も頂点を取る事が出来なかったので、最後に後輩たちにプリンス昇格というお土産を残してあげたいので、これからいい準備をして"3年生がやってやる"っていうところを後輩たちに見せたいと思います。

(文・写真=会田健司)

▽第100回全国高校サッカー選手権大阪予選
第100回全国高校サッカー選手権大阪予選