U-18日本代表候補の前橋育英MF笠柳翼

 高校サッカー界の名門・前橋育英。そんな強豪チームにおいてひと際目立つ存在がいる。左サイドのMFでU-18日本代表候補でもあるその選手の名は笠柳翼。自らが起点となり、ドリブルやパスなどチームメイトを巧みに使うプレーが真骨頂、自らもゴールを狙うアタッカーだ。東京ヴェルディ戦では後半アディショナルタイムに決勝ゴールを挙げたトッププレイヤーを試合後に直撃した。

ーー凄いゲームでしたが今日の試合を振り返っていただけますでしょうか?

 前半はチームとしての「前からプレッシャーをかけてボールを奪いにいく」というコンセプト通りに展開ができて、うまくハマった形だったんですけれども、後半は相手にペースを掴まれ、アウェーの雰囲気や東京ヴェルディユースさんの個でどんどん攻めてくる部分に押されてしまい、3点リードを追いつかれてしまいました。悪い流れだったんですけれども、そのまま押し切られず、最後にチームで1点取ることができたことは良かったと思います。

ーー最後は自らが決勝点を決めましたがゴールシーンを振り返っていただけますでしょうか?

 自分が起点となって、MF岩立が走ってくれてインナーで付いて、岩立とMF根津がワンツーで絡んで、そのこぼれ球を狙って走っていたんですけれども、相手GKのことがよく見えていて、そのままシュートを打たず、いったん切り替えてからシュートを打てたことが点を取れた要因だと思います。

 それと、後半のあの時間帯まで走れたことが自分としては大きいと思っていて。もともと自分はあまり走れなかったんですけれども、練習を重ねて最後まで走り切れるようになって、その結果が得点に結びついて良かったと思っています。

ーーラストワンプレーでの得点でしたが、正直引き分けで終わりかなという意識はあったでしょうか?

 後半流れが悪くなった時間帯もあったんですけれど、最後まで諦めていませんでした。自分はチームの中心としてやっていますし、去年の選手権は県予選で敗退してしまうなど、試合に出させてもらっていながらもチームを勝たせられなかったことが課題だと思っていたので、今日のゲームのようにチームの勝利につながる得点を挙げることができたのは本当にうれしく思います。

左サイドから仕掛ける笠柳翼

ーーリーグ戦でいうと、ここのところ点は取れていると思いますが攻撃に関してはどういった印象でしょうか?

 それは守備陣が安定してるからこその攻撃だと思うので、守備陣の失点が少ないことが攻撃陣の好調さの理由の1つだと思います。DF桑子流空とDF柳生将太を中心とした守備陣がしっかり試合を作ってくれていることで、攻撃陣はどんどん押していけます。今年のチームのポイントは誰もが点を取れるというところなんですけれども、それは守備陣がしっかり守ってくれている分、攻撃陣がそれに応えるべく点を取っているという感じで、すごくいい関係になっていると思います。

ーー守備陣は2試合ほど完封ゲームでしたが今日は後半途中から相手のペースになってしまいました。どの辺が課題だと感じていますでしょうか?

 押し込まれた時にプレスをかけられなくなってしまったところですね。ウチはプレスから流れを作っていくチームだと思っているので、プレスがかけられなくなった時に、どうブロックを敷いて守っていくかが課題だと思います。

ーーリーグ戦では次節が昌平戦ですがどういったゲームにしたいと思っていますでしょうか?

 昌平さんはチームのみんなも意識していますし、高体連のチームの中でもトップクラスのいいチームだと思っています。今日の試合で見つかった課題を全員でしっかり反省し、いつも通りのゲームができれば結果も付いてくると思っています。

ーー今日のゲームの勝利でリーグ戦(プリンス関東)では暫定首位に立ちましたが?

 首位には立ちましたが、自分たちのやっていくことは変えず、インターハイや選手権に向けて一戦一戦勝っていけたらと思っています。

ーーインターハイも近づいてきましたが、どういった舞台にしたいと思っていますでしょうか?

 コロナ禍で昨年はインターハイが中止になったこともあり、自分は全国大会に出場できていなかったので、出られることはうれしく思っていいます。ただ出るだけではなく、チームとして日本一を目指して戦っていきたいと思っています。

ーーその先に選手権が控えていますが桐生第一や前橋商、健大高崎など強敵も増え、群馬のレベルが上がってきていると思います。勝つためにどういったものを積み上げていきたいと思っていますでしょうか?

 インターハイも選手権も同じで、やるべきことは普段の練習をしっかりと積み重ねることだけだと思っています。自分たちの練習は他のチームと比べても強度が高いと思いますし、それを意識してやっています。その一つ一つの積み重ねが大切だということは監督からも言われているので、チームとしても徹底してやっています。

ーー憧れの選手などはいますでしょうか?

 アストン・ヴィラのジャック・グリーリッシュです。起点を作ってパス、ドリブル、フィニッシュとすべてできる万能型アタッカーなので、すごく参考にしています。高校に入ったくらいから好きで、スピードもある選手なんですけれども、緩急やリズムで抜いていくことが多くて、自分と似たタイプかなと思い憧れています。

ーー自分自身のストロングポイントはどんなところだと思っていますでしょうか?

 ドリブルもパスもフィニッシュも、フィニッシュの部分はまだまだ課題はあるんですけれども攻撃すべての部分は誰にも負けないと思っていますし、自分が起点になりながら味方の選手をうまく使っていくというのも得意なプレーです。そういうプレーを見てほしいと思っています。

ーー今シーズンの目標を教えていただけますでしょうか?

 個人としてはインターハイや選手権で活躍して自分の名をあげてプロ入りを目指すことと、チームとしては日本一を狙えるところがあるので、インターハイも選手権も優勝しようとチーム全員で話をしています。

ーー将来の目標はプロでしょうか?

 そうですね。練習を重ねて、高校からプロに行けたらと思っています。

▽高円宮杯 JFA U−18サッカープリンスリーグ2021関東
高円宮杯 JFA U−18サッカープリンスリーグ2021関東