名門・静岡学園の川口修監督

 インターハイや選手権といった全国の舞台で数々の輝かしい成績を収めてきた名門・静岡学園高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 東海に参戦しているチームも現在首位を走るなど、例年並み、いや例年以上の強さを誇っている。そんな強豪チームを率いる川口修監督に、インターハイ予選の準決勝後、話をうかがった。

ーーまず試合を振り返っていかがだったでしょうか?

 浜松開誠館さんのプレッシャー、圧に自分たちが怖がってバックパスが増えて、リズムが作れなかったかなと思います。そこが反省材料です。

ーーそんな中でもPK戦で勝ち切った意味合いはどう感じていますでしょうか?

 PK戦までいったらもう負けだと思ってやっているので。今日はGKに2本止めてもらって、なんとか決勝まで行かせてもらったという感じですね。もう少しフィールドで、自分たちが課題を改善しながら、ウチらしくやれるように決勝ではいい内容で勝ち切れるようにしたいと思っています。

ーー今シーズンは得点を多く奪う機会もあって、その中では苦しんで掴んだ決勝進出ですが?

 我々としては非常にいいことだと思います。こういう苦しみながらチームが競り勝っていくという、気持ちの部分がでも大事になってくるので、そういったところの成長は少し見えたかなと思っています。

ーー決勝の対戦相手は清水東ということになりましたが?

 そうですね、4年前に一度戦っていますが、清水東さんが上がってきたということで、非常に楽しみにしています。ただ、まずは相手よりも自分たちでやるべきことをしっかり整理して、結果につなげられるように頑張りたいと思います。

ーー県内タイトルとしては新人戦に次ぐ2冠目を目指すということになりますが?

 そこはあまり考えていないのですが、やはり全国大会に行くことができれば、それが選手やチームの成長につながるので、そこは何とか決勝で勝って、また経験を積みたいという気持ちは強いです。

試合を見つめる静岡学園・川口監督

ーー全国で経験を積むというインターハイが去年はありませんでした。2年ぶりに開催されることの意義についてはどうお考えでしょうか?

 全国大会があるというよりは選手たちが練習もできていますし、試合もさせてもらえているということが大きいと思います。選手というのは、練習と試合をやらないと成長しないんですね。そういった意味では本当に恵まれているというか、大会が開催されるということにありがたみを感じながら、練習を積んでレベルアップできるように頑張りたいと思います。

ーーこのチームの選手たちに図太さを感じたのですか?

 PK戦になると、結構緊張して「頼む!頼む!」という思いが強いと思うんですけど、今年のチームは自分のチームのGKに対して「生嶋、止めるよな?」とかプレッシャーをかけたり、そういうところも見えたので。PKで負けたらしょうがないとは思っていたのですが、選手たち自身が雰囲気やリズム、自分たちのスタイルを作って戦戦ったということは、あれはあれでとても良かったんじゃないかと思っています。

ーーGK生嶋くんは「決められたら負け」の場面でよく止めましたね?

 生嶋は、自分のミスが失点につながったので、自分で停めて帳消しにするしかなかったので、そこら辺の気持ちが出たのかなと思っています。

ーー試合の内容的にはいかがだったでしょうか?

 相手がプレッシャーをかけてくるのは分かっていて、それ自体はいいんですけれども、下がっちゃダメだなと。下がると相手はもう一個前にプレッシングをかけてきてラインを上げるので、結局状況が悪くなってしまう戦いになってしまうので。

 だからセンターラインからしっかりとビルドアップしていくようなサッカーをやらないとダメだなと。結局GKのロングフィードからの失点だったので。そこは反省点ですね。改善できるとは思っていますが。

ーー今年のチームは(第98回大会の)選手権で優勝したチームと比べてどんな感じでしょうか?

 いや、まだまだですね。個人としては各ポジションにおもしろい選手がいるんですけど、チームとしてはまだまだですね。ただ、今の時期の時点で比較をしたら、今年のチームの方が上です。ただ選手権で優勝した時のチームはすごく伸びたんです。今年は個性がある選手も多いんですけど、まだ落ち着いていない部分もあるので、今日みたいに“ビシッ”と来られると、ふわふわしてしまったりするところもあって。

 例えば青森山田さんとの試合になった時なんて、もっと圧力があると思うんですよね。ただ、これが経験なんです。去年は試合もなかなかできなかった中で、今年は試合ができて、こういう経験ができていることが大きいと思います。経験を積むことが選手たちを成長させるということです。

ーーCBの2人が並ぶと相当威圧感があると思いますが、もう少し跳ね返して欲しかった感じでしょうか?

 跳ね返すことよりも不満だったのは、技術はあるのにビルドアップで逃げてしまったことですね。技術があって前に運べるのに、フィードできるのに、それをちょっとやらなかったことが不満ですね。不安があったのかGKに下げ過ぎでしたね。

ーーゴールを決めた荒井選手はいかがだったでしょうか?

 ずっとSBをやっていたのですが、今日はトップ下で起用しました。まだトップ下は2戦目ですかね?彼はユーティリティ性やセンスがあって、どこでもできるので。ゴールの場面も「センタリングを上げるかな?」と思っていたらシュートを打って。ああいう所のセンスが非常にあるので、どこのポジションでもこなせる選手ですね。

ーー決勝戦に向けて意気込みをお願いします

 チャンスだと思うので、いいゲームをして結果につなげられたらなと思います。

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選